病院前救護活動における感染対策の現状と課題

【要旨】目的:病院前救護活動での感染対策は非常に重要であるがその実態は明らかではない. 今後の感染対策充実を図るために現状の把握が必要と考え調査した. 方法:全消防機関を対象に書面にて調査を行った. 結果:「感染対策マニュアルが整備されている」が46%, 「感染制御に関する研修を定期的に全職員に行っている」が3%, 「全症例に標準予防策を行っている」が95%, 「気管挿管を行う際に目の保護具とサージカルマスクをどちらも装着をしている」が23%, 「職員の感染曝露発生時に特定の医療機関と協力体制は確立している」が49%, 「針刺しが起こった際に対応に困った点があった」が7%であった. 結論:マニ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 21; no. 4; pp. 572 - 577
Main Authors 森田正則, 佐々木淳一, 佐藤格夫, 望月徹, 添田博, 横田裕行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床救急医学会 31.08.2018
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【要旨】目的:病院前救護活動での感染対策は非常に重要であるがその実態は明らかではない. 今後の感染対策充実を図るために現状の把握が必要と考え調査した. 方法:全消防機関を対象に書面にて調査を行った. 結果:「感染対策マニュアルが整備されている」が46%, 「感染制御に関する研修を定期的に全職員に行っている」が3%, 「全症例に標準予防策を行っている」が95%, 「気管挿管を行う際に目の保護具とサージカルマスクをどちらも装着をしている」が23%, 「職員の感染曝露発生時に特定の医療機関と協力体制は確立している」が49%, 「針刺しが起こった際に対応に困った点があった」が7%であった. 結論:マニュアルの整備, 教育体制, 患者接触時の感染対策, 感染事故発生時の対応に関して問題点が認められた. これらを改善するには, マニュアル作成の手引きの整備とともに地域のメディカルコントロール協議会, 関連医療機関, 保健所などの協力が不可欠である.
ISSN:1345-0581
DOI:10.11240/jsem.21.572