インターバルトレーニング中に排出される飛沫・エアロゾル濃度の粒子径による違い
(背景)新型コロナウイルスによる感染拡大は,部活動やプロスポーツなど多くの競技で集団感染を発生させている.スポーツにおける感染リスクは,集団生活や競技特性による密の発生などが考えられているものの,運動負荷による影響は明らかではない.(目的)本研究は運動負荷時に呼気中に排出される飛沫・エアロゾルの濃度を測定することとした.(方法)対象は健常成人39 名とした.飛沫・エアロゾルの計測はパーティクルカウンターを用い,10秒間の採集を1 試行として24 回連続して行った.運動課題はエアロバイクを用いたインターバルトレーニングとし,運動負荷は採集開始30 秒後(試行4)から60 秒後(試行6)と180...
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Published in | 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 31; no. 1; pp. 39 - 47 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会
31.01.2023
日本臨床スポーツ医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-4159 2758-3767 |
DOI | 10.57474/jjcsm.31.1_39 |
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Summary: | (背景)新型コロナウイルスによる感染拡大は,部活動やプロスポーツなど多くの競技で集団感染を発生させている.スポーツにおける感染リスクは,集団生活や競技特性による密の発生などが考えられているものの,運動負荷による影響は明らかではない.(目的)本研究は運動負荷時に呼気中に排出される飛沫・エアロゾルの濃度を測定することとした.(方法)対象は健常成人39 名とした.飛沫・エアロゾルの計測はパーティクルカウンターを用い,10秒間の採集を1 試行として24 回連続して行った.運動課題はエアロバイクを用いたインターバルトレーニングとし,運動負荷は採集開始30 秒後(試行4)から60 秒後(試行6)と180 秒後(試行19)から210秒後(試行21)までとした.運動負荷条件下では全力ペダリングとした.運動負荷条件以外の試行では無負荷としペダリングは快適に行える回転数とした.(結果)粒子径0.3~0.5μm 未満,0.5~1.0μm 未満は運動負荷の有無に関係なく,全試行を通じて粒子濃度が上昇を続けた.粒子径1.0~2.0μm 未満,2.0~5.0μm 未満は運動負荷とともに濃度の上昇が見られ,運動負荷の停止とともに減少に転じた.(結論)粒子径0.3~0.5μm 未満,0.5~1.0μm 未満は被験者周囲に長く滞留し,粒子径1.0~2.0μm 未満,2.0~5.0μm 未満は空気抵抗や重力の影響を受け速やかに落下したものと考えられた.スポーツ時の感染予防策として飛沫対策だけでなく,エアロゾルに焦点を向けた対策も合わせて実施する必要が考えられた. |
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ISSN: | 1346-4159 2758-3767 |
DOI: | 10.57474/jjcsm.31.1_39 |