5 タイ北部における人吸血性ブユ2種Simulium nodosum及びS.asakoae雌成虫のフィラリア自然感染率(第57日本衛生動物学会南日本支部大会講演要旨)

吸血性昆虫であるブユ(Diptera;Simuliidae)は, フィラリア媒介者として知られている. 演者らはタイ北部において, Simulium nodosum及びS. asakoaeがフィラリアを媒介していることを報告した(2003). 今回, 両種ブユ雌成虫のフィラリア自然感染率について年間調査を行ったのでその結果を報告する. 調査はタイ北部のバンパンファンにおいて, 2005年1月から2006年2月にかけて, 月に2回行った. ブユ雌成虫は, 6時から18時までの1時間ごとに人囮法を用いて捕虫網で採集した. 採集後, 各個体の解剖を行った. 調査地の平均気温は, 年間を通じてフィラリ...

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Published inMedical Entomology and Zoology Vol. 59; no. 2; p. 123
Main Authors 福田, 昌子, 高岡, 宏行, 石井, 美光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本衛生動物学会 2008
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ISSN0424-7086
2185-5609
DOI10.7601/mez.59.123_3

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Summary:吸血性昆虫であるブユ(Diptera;Simuliidae)は, フィラリア媒介者として知られている. 演者らはタイ北部において, Simulium nodosum及びS. asakoaeがフィラリアを媒介していることを報告した(2003). 今回, 両種ブユ雌成虫のフィラリア自然感染率について年間調査を行ったのでその結果を報告する. 調査はタイ北部のバンパンファンにおいて, 2005年1月から2006年2月にかけて, 月に2回行った. ブユ雌成虫は, 6時から18時までの1時間ごとに人囮法を用いて捕虫網で採集した. 採集後, 各個体の解剖を行った. 調査地の平均気温は, 年間を通じてフィラリア幼虫の最低成育温度条件である17℃以上であった. 2種から見つかった第3期フィラリア幼虫は, 形態的に異なっていた. 第1期, 第2期, 第3期フィラリア幼虫の合計の感染は, S. nodosumでは1, 2, 4-7, 10月で見られ, 感染率は0.6-5.0%, S. asakoaeでは1-5, 7-9, 11月で見られ, 感染率は1.0-3.0%であった. 第3期フィラリア幼虫の感染は, 1, 2, 4, 6, 7, 10, 11月で見られ, 感染率は0.6-3.0%であった. また, 2種のブユ雌成虫の採集数が最も多い3, 6月では, フィラリア感染は見られなかった. また, S. nodesumから不明線虫(非フィラリア線虫)も見られたのであわせて報告する.
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.59.123_3