浦添市における自殺未遂者支援システム構築の試み

沖縄県南部保健所浦添市保健所が主導となり自殺未遂者支援システムを構築した。本システムの紹介と浦添総合病院(以下,当院)へ搬送された自殺未遂者の傾向と実際に介入できた症例について報告する。本システムの対象は浦添市在住で,保健師の介入を承諾した症例とし,2016年4月1日に運用を開始した。2016年度に当院救命救急センターへ搬入された自殺企図者を対象としカルテレビューにて調査した。当院へ搬入された自殺企図者は59名であった。死亡は8名で,いずれも院外心肺停止であった。希死念慮は64.4%に確認された。過去の自殺未遂歴は,40.7%に認めた。実際に保健師が介入できたのは2名であったが,いずれの症例も...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 22; no. 4; pp. 587 - 592
Main Authors 金城, 文之, 米盛, 輝武, 儀間, 辰二, 八木, 正晴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 31.08.2019
日本臨床救急医学会
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.22.587

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Summary:沖縄県南部保健所浦添市保健所が主導となり自殺未遂者支援システムを構築した。本システムの紹介と浦添総合病院(以下,当院)へ搬送された自殺未遂者の傾向と実際に介入できた症例について報告する。本システムの対象は浦添市在住で,保健師の介入を承諾した症例とし,2016年4月1日に運用を開始した。2016年度に当院救命救急センターへ搬入された自殺企図者を対象としカルテレビューにて調査した。当院へ搬入された自殺企図者は59名であった。死亡は8名で,いずれも院外心肺停止であった。希死念慮は64.4%に確認された。過去の自殺未遂歴は,40.7%に認めた。実際に保健師が介入できたのは2名であったが,いずれの症例も,金銭や家族関係などにさまざまな問題を抱えていた。まだ介入事例が少なく,自殺者数の減少に寄与できるかは今後の研究に期待するが,自殺未遂による入院の直後に致死的な自殺率が高いという報告もあり,本システムは効果的であることが期待できる。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.22.587