放射線災害時における地域消防本部との連携強化の取り組み

当院ではアイソトープ検査を行なうため,放射性同位元素の取り扱いをしている。放射性同位元素取り扱い施設における災害時の対応は放射性同位元素に対する対処方法が必要となるなど通常の災害時の対応とは異なってくる。そのため関係省庁から出された通知などで連携を含め事故に対応し得る体制整備を図ることとされている。そのため,病院単独での防災対策だけではなく,地域の消防機関である消防本部との連携を含めた包括的な体制整備が必要とされている。  そこで,当院では平成26年度より災害時の放射線管理区域内での消火・救助活動が円滑にできるよう,江南市消防本部との連携の取り組みを行なってきた。その結果,消防本部との防災共通...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 71; no. 5; pp. 417 - 423
Main Authors 小田, 康之, 寺澤, 実, 近藤, 憲二, 石黒, 秀典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 01.01.2023
日本農村医学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:当院ではアイソトープ検査を行なうため,放射性同位元素の取り扱いをしている。放射性同位元素取り扱い施設における災害時の対応は放射性同位元素に対する対処方法が必要となるなど通常の災害時の対応とは異なってくる。そのため関係省庁から出された通知などで連携を含め事故に対応し得る体制整備を図ることとされている。そのため,病院単独での防災対策だけではなく,地域の消防機関である消防本部との連携を含めた包括的な体制整備が必要とされている。  そこで,当院では平成26年度より災害時の放射線管理区域内での消火・救助活動が円滑にできるよう,江南市消防本部との連携の取り組みを行なってきた。その結果,消防本部との防災共通マニュアルの作成,当院アイソトープ施設を使用した火災訓練の実施といった活動を行なう事が出来た。また,放射線に関する講習会を行なうことにより,消防職員に対する放射線の知識向上に寄与することもできた。これらを含めた当院での連携強化の取り組みについて報告をする。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.71.417