下肢手術を行った地域在住高齢者の組織硬度と転倒リスクの関連性

〔目的〕片側下肢に関する手術を受け,外来通院しながら日常生活を送っている地域在住高齢者の下腿組織硬度を把握し,これと,転倒リスクとの関係を知ることとした.〔対象〕整形外科に通院する地域在住高齢者22名とした.〔方法〕組織硬度計にて測定された下腿後面の組織硬度を,手術側と非手術側の2群間で比較し,過去の転倒歴,歩行速度,杖の使用,背部変形,服薬状況からなるFall Risk Indexの調査結果と検討した.〔結果〕足関節最大背屈位における手術側と非手術側の下腿組織硬度間に有意差が認められたが,足関節底背屈0°では認められなかった.また,高齢ほど転倒頻度が高い傾向が認められた.〔結語〕地域在住高齢...

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Published in理学療法科学 Vol. 31; no. 3; pp. 419 - 422
Main Authors 後藤, 誠, 山本, 健司, 桜木, 航, 小枝, 英輝, 成瀬, 進, 上杉, 雅之, 井上, 由里, 武政, 誠一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2016
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Summary:〔目的〕片側下肢に関する手術を受け,外来通院しながら日常生活を送っている地域在住高齢者の下腿組織硬度を把握し,これと,転倒リスクとの関係を知ることとした.〔対象〕整形外科に通院する地域在住高齢者22名とした.〔方法〕組織硬度計にて測定された下腿後面の組織硬度を,手術側と非手術側の2群間で比較し,過去の転倒歴,歩行速度,杖の使用,背部変形,服薬状況からなるFall Risk Indexの調査結果と検討した.〔結果〕足関節最大背屈位における手術側と非手術側の下腿組織硬度間に有意差が認められたが,足関節底背屈0°では認められなかった.また,高齢ほど転倒頻度が高い傾向が認められた.〔結語〕地域在住高齢者の日常生活において,足関節が背屈になる状況では手術側と非手術側の筋機能発揮に差が生じ転倒する可能性があり,機能的代償動作を行っていることが示唆される.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.31.419