軟性コルセット装着が荷物挙上動作における脊椎彎曲角に及ぼす影響

〔目的〕本研究は,荷物挙上の際に軟性コルセットを装着することで,腰椎前彎角の増大が抑制されるかどうかを検討した。〔対象〕健常成人女性14名,平均年齢は20.1±0.3歳であった。〔方法〕軟性コルセットの装着域は,下位肋骨弓から腸骨稜までとした。測定は,両足部の幅を10 cmに合わせて置き,視線を正面に向けた安静立位姿勢で実施した。両上肢で,2 kgの重りを入れた箱を把持し,上肢を0°,90°,120°挙上した姿勢の胸椎後彎角および腰椎前彎角を測定した。これら2つの脊椎彎曲角を各挙上肢位で比較した。〔結果〕腰椎前彎角は,上肢挙上角120°で有意に大きな値を示した。胸椎後彎角については,有意な差は...

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Published in理学療法科学 Vol. 26; no. 1; pp. 123 - 126
Main Authors 松尾, 奈々, 村田, 伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2011
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Summary:〔目的〕本研究は,荷物挙上の際に軟性コルセットを装着することで,腰椎前彎角の増大が抑制されるかどうかを検討した。〔対象〕健常成人女性14名,平均年齢は20.1±0.3歳であった。〔方法〕軟性コルセットの装着域は,下位肋骨弓から腸骨稜までとした。測定は,両足部の幅を10 cmに合わせて置き,視線を正面に向けた安静立位姿勢で実施した。両上肢で,2 kgの重りを入れた箱を把持し,上肢を0°,90°,120°挙上した姿勢の胸椎後彎角および腰椎前彎角を測定した。これら2つの脊椎彎曲角を各挙上肢位で比較した。〔結果〕腰椎前彎角は,上肢挙上角120°で有意に大きな値を示した。胸椎後彎角については,有意な差は認められなかった。〔結語〕軟性コルセットの装着により,荷物挙上動作の際,上肢挙上角90°で腰椎前彎角の増大が抑制されることが示された。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.26.123