保存的治療における成長期スポーツ選手の骨盤裂離骨折の特徴

保存的治療における成長期スポーツ選手の骨盤裂離骨折の特徴を明らかにすることを目的とし た.2015年3月から2022年12月に骨盤裂離骨折と診断されたスポーツ選手45例を対象とし,下前腸骨棘群(AIIS群),上前腸骨棘群(ASIS群),坐骨結節群(IT群)に分類した.各群での性別,年齢,身長,体重,スポーツ種目,受傷動作,外傷の有無,受診までの期間,骨片転位距離(DFD),骨癒合の成否,競技復帰期間(RTS)について診療録を後ろ向きに調査し,比較検討した.AIIS群23例,ASIS群15例,IT群7例であり,3群とも男性が多かった.年齢・身長・体重に関してAIIS群はASIS群に比べて有意に年...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 33; no. 1; pp. 62 - 69
Main Authors 三宅, 秀俊, 渡辺, 知真, 氷見, 量, 石川, 徹也, 杉山, 貴哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会 2025
日本臨床スポーツ医学会
Subjects
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ISSN1346-4159
2758-3767
DOI10.57474/jjcsm.33.1_62

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Summary:保存的治療における成長期スポーツ選手の骨盤裂離骨折の特徴を明らかにすることを目的とし た.2015年3月から2022年12月に骨盤裂離骨折と診断されたスポーツ選手45例を対象とし,下前腸骨棘群(AIIS群),上前腸骨棘群(ASIS群),坐骨結節群(IT群)に分類した.各群での性別,年齢,身長,体重,スポーツ種目,受傷動作,外傷の有無,受診までの期間,骨片転位距離(DFD),骨癒合の成否,競技復帰期間(RTS)について診療録を後ろ向きに調査し,比較検討した.AIIS群23例,ASIS群15例,IT群7例であり,3群とも男性が多かった.年齢・身長・体重に関してAIIS群はASIS群に比べて有意に年齢と身長は低く(p<0.01,p<0.05),体重は軽かった(p<0.01).スポーツ種目ではAIIS群はサッカーが最も多く,受傷動作ではAIIS群はキック動作,ASIS群は走行が多かった.外傷の有無は3群とも外傷ありが多かった.受診までの期間ではIT群が他2群に比べて有意に長かった(p<0.01). DFD,骨癒合の成否,RTSでは3群間に有意差はなかったが,IT群にて2例に骨癒合不全が認められた. 下前腸骨棘裂離骨折と上前腸骨棘裂離骨折に関しては年齢や身長,体重,受傷動作にて違いが認められ,坐骨結節裂離骨折に関してはDFDだけでは治療方針の判断は難しい場合があると考えられる.
ISSN:1346-4159
2758-3767
DOI:10.57474/jjcsm.33.1_62