心室中隔穿孔発症にて長期臥床となった高齢患者で、少量頻回低強度レジスタンストレーニング導入後に日常生活活動が改善した症例
今回、80代後半の女性で、急性心筋梗塞発症後に随伴した心室中隔穿孔、三尖弁閉鎖不全症に対して緊急でVentricular septal perforationパッチ閉鎖術・三尖弁置換術を施行した症例の理学療法を経験した。急性心筋梗塞発症後、大動脈内バルーンパンピング管理と補助循環用心内留置型補助ポンプカテーテル管理に伴い10日間の長期臥床となった。加えて、両側変形性膝関節症、身体的フレイル、術後右鼠経創開放に伴う安静等、様々な因子により機能障害を呈した事でガイドラインに基づいた離床プログラムでは身体機能改善が困難であった。そこで、その問題点への介入として離床に加えて低強度レジスタンストレーニン...
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Published in | 理学療法福岡 Vol. 35; no. 35; pp. 110 - 114 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 福岡県理学療法士会
2022
福岡県理学療法士会 |
Subjects | |
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ISSN | 1342-1433 2758-0652 |
DOI | 10.57315/fpta.35.0_110 |
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Summary: | 今回、80代後半の女性で、急性心筋梗塞発症後に随伴した心室中隔穿孔、三尖弁閉鎖不全症に対して緊急でVentricular septal perforationパッチ閉鎖術・三尖弁置換術を施行した症例の理学療法を経験した。急性心筋梗塞発症後、大動脈内バルーンパンピング管理と補助循環用心内留置型補助ポンプカテーテル管理に伴い10日間の長期臥床となった。加えて、両側変形性膝関節症、身体的フレイル、術後右鼠経創開放に伴う安静等、様々な因子により機能障害を呈した事でガイドラインに基づいた離床プログラムでは身体機能改善が困難であった。そこで、その問題点への介入として離床に加えて低強度レジスタンストレーニングを導入した。実際の方法としては、Close kinetic chainを用いた少量頻回低強度レジスタンストレーニングとして仕事量の確保を図った。結果として、少量頻回低強度レジスタンストレーニング導入後の下肢筋力の向上に伴い身体機能の改善を認め、日常生活活動の拡大へと繋げる事が出来た。また、日常生活活動の拡大後より日中の座位時間を確保できた事により日中の活動量も増大し、リハビリテーション転院後に自宅退院を遂げる結果となった。 |
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ISSN: | 1342-1433 2758-0652 |
DOI: | 10.57315/fpta.35.0_110 |