障害児通所支援事業所を利用する児を養育する家族における「主養育者の養育負担感」と「家族内のコミュニケーション」の関連性の確認および養育負担感に関連する要因の探索

目的:障害児を養育する家族における「主養育者の養育負担感」と「家族内のコミュニケーション」の関連性の確認と当該家族の養育負担感の関連要因を明らかにすることを目的とする.方法:A市の障害児通所支援事業所(児童発達支援,放課後等デイサービス)を利用する児の主養育者を対象に,オンライン上の無記名自記式質問紙調査を行った.量的研究で,養育負担感を従属変数,家族内のコミュニケーションや主養育者・児の基本属性,養育環境のうち,有意傾向がみられた変数(p<0.15)を独立変数として,重回帰分析(強制投入法)を試みた.結果:家族内のコミュニケーションは主養育者の養育負担感の有意な影響要因として認められな...

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Published in家族看護学研究 Vol. 30; pp. 99 - 111
Main Authors 佐々木, 啓太, 涌水, 理恵, 谷口, 育, 越智, 向日葵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本家族看護学会 31.03.2025
日本家族看護学会
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ISSN1341-8351
2758-8424
DOI10.60320/jarfn.30.0_99

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Summary:目的:障害児を養育する家族における「主養育者の養育負担感」と「家族内のコミュニケーション」の関連性の確認と当該家族の養育負担感の関連要因を明らかにすることを目的とする.方法:A市の障害児通所支援事業所(児童発達支援,放課後等デイサービス)を利用する児の主養育者を対象に,オンライン上の無記名自記式質問紙調査を行った.量的研究で,養育負担感を従属変数,家族内のコミュニケーションや主養育者・児の基本属性,養育環境のうち,有意傾向がみられた変数(p<0.15)を独立変数として,重回帰分析(強制投入法)を試みた.結果:家族内のコミュニケーションは主養育者の養育負担感の有意な影響要因として認められなかった.養育負担感の3つの下位尺度を含め,養育負担感に影響を及ぼす要因は,主養育者の中途覚醒の頻度,家族以外で日常的に児や主養育者のサポートをしてくれる人の存在,児の介助状況(体位交換,排泄,移動,入浴),発達特性(特定のことに強い興味や関心がある,読む・書く・計算することが極端に苦手)であった.結論:家族内のコミュニケーションの状況に関わらず,主養育者の養育負担感は存在していた.主養育者の養育負担感を軽減するために,まとまった睡眠の確保や周囲のサポートの活用を中心に,家族にコミュニケーションの話題提供をしたり,具体的な行動を取れるよう支援に繋げたりすることが,効果的な支援であると考えられた.
ISSN:1341-8351
2758-8424
DOI:10.60320/jarfn.30.0_99