名古屋市における獣医師による学校飼育支援活動後に得られたアンケート回答からみる動物飼育の教育的効果と今後の課題
青少年のいじめや自殺などの社会問題に対処する活動の1つとして,うさぎ,モルモット,チャボなどの学校飼育動物を「生きた教材」として有効に使う「命の教育」が成果をあげている。我々は2013年12月に名古屋市において小学校の飼育の実態を調査し,その前後の2010年から2014年にかけて行った小学校の生活科の動物ふれあい教室,教員セミナー,放課後学級における動物ふれあい教室,児童飼育委員会への飼育指導,市民セミナーなどの支援活動について,教員を対象にアンケート調査を行った。アレルギー,休日飼育など解決すべき問題はあり,飼育は減少傾向にあるが,学校動物飼育は体験を通して子供の「命の教育」に成果を上げてい...
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Published in | Journal of Animal Clinical Medicine Vol. 24; no. 4; pp. 158 - 164 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
動物臨床医学会
2015
Japanese Society of Clinical Veterinary Medicine |
Subjects | |
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Summary: | 青少年のいじめや自殺などの社会問題に対処する活動の1つとして,うさぎ,モルモット,チャボなどの学校飼育動物を「生きた教材」として有効に使う「命の教育」が成果をあげている。我々は2013年12月に名古屋市において小学校の飼育の実態を調査し,その前後の2010年から2014年にかけて行った小学校の生活科の動物ふれあい教室,教員セミナー,放課後学級における動物ふれあい教室,児童飼育委員会への飼育指導,市民セミナーなどの支援活動について,教員を対象にアンケート調査を行った。アレルギー,休日飼育など解決すべき問題はあり,飼育は減少傾向にあるが,学校動物飼育は体験を通して子供の「命の教育」に成果を上げていると推測された。そして,名古屋市という都市型の小学校における課題は,学校飼育を減少させないことであり,獣医師は教育関係者へ動物介在教育の意義を周知するために,保護者,行政機関と協力して,丁寧な活動を継続しなければならないことを再認識させられた。 |
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ISSN: | 1344-6991 1881-1574 |
DOI: | 10.11252/dobutsurinshoigaku.24.158 |