ホリスティックアプローチとしての精神障害作業療法

作業療法によって患者の主体的で多様な生き方を追求していく能力を引き出すには,対象である患者の適切な理解が必要である.しかし,同じ統合失調症の診断を受けた患者でもその在り方はさまざまであり,患者の抱える問題はバラエティに富んでいる.バラエティに富んだ問題を抱える患者を介入対象とするには,全体的に把握するホリスティック(全人的)な理解とアプローチが必要である.本論では,「精神症状および認知機能障害」「これまでの生活で形成された心理的傾向」「現在の状況に対する心理的反応」「生活技能の未習得あるいは喪失」「知識・情報の不足」「環境の未整備」の6つの観点から理解し,アプローチすることの有用性を述べた....

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Published in作業療法 Vol. 41; no. 2; pp. 160 - 165
Main Author 簗瀬, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本作業療法士協会 15.04.2022
日本作業療法士協会
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Summary:作業療法によって患者の主体的で多様な生き方を追求していく能力を引き出すには,対象である患者の適切な理解が必要である.しかし,同じ統合失調症の診断を受けた患者でもその在り方はさまざまであり,患者の抱える問題はバラエティに富んでいる.バラエティに富んだ問題を抱える患者を介入対象とするには,全体的に把握するホリスティック(全人的)な理解とアプローチが必要である.本論では,「精神症状および認知機能障害」「これまでの生活で形成された心理的傾向」「現在の状況に対する心理的反応」「生活技能の未習得あるいは喪失」「知識・情報の不足」「環境の未整備」の6つの観点から理解し,アプローチすることの有用性を述べた.
ISSN:0289-4920
2434-4419
DOI:10.32178/jotr.41.2_160