救急・集中治療領域での薬剤師業務の現状と将来像

目的:救急医療における薬剤師のおかれた状況や不足するスキルは不明であり,これらを把握することを目的にアンケートを実施した。方法:日本臨床救急医学会の薬剤師会員を対象に,救急医療・集中治療への従事,現在および今後実施したい業務,実施希望のトレーニングコースについて調査した。結果:195名より回答を得た。救急医療への従事は23.1%,集中治療が68.2%であった。救急医療での業務は主に薬品管理で(77.8%),患者対応はおもに依頼された時のみ(64.4%)行われていた。トレーニングコースは中毒,循環器系が求められていた。集中治療では抗菌薬,循環器系薬の介入が多かったが,フィジカルアセスメントの実施...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 19; no. 6; pp. 725 - 734
Main Authors 織田, 順, 加藤, 隆寛, 定光, 大海, 畝井, 浩子, 有賀, 徹, 鏑木, 盛雄, 菊池, 憲和, 眞野, 成康, 篠原, 高雄, 渡邉, 暁洋, 峯村, 純子, 浅香, えみ子, 西澤, 健司, 田中, 聡, 桑原, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 2016
日本臨床救急医学会
Subjects
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.19.725

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Summary:目的:救急医療における薬剤師のおかれた状況や不足するスキルは不明であり,これらを把握することを目的にアンケートを実施した。方法:日本臨床救急医学会の薬剤師会員を対象に,救急医療・集中治療への従事,現在および今後実施したい業務,実施希望のトレーニングコースについて調査した。結果:195名より回答を得た。救急医療への従事は23.1%,集中治療が68.2%であった。救急医療での業務は主に薬品管理で(77.8%),患者対応はおもに依頼された時のみ(64.4%)行われていた。トレーニングコースは中毒,循環器系が求められていた。集中治療では抗菌薬,循環器系薬の介入が多かったが,フィジカルアセスメントの実施率は低かった。結論:救急医療に従事する薬剤師は少ない。全患者へ対応できる体制の整備,中毒,循環器系に関するトレーニングが有効と考えられた。集中治療ではフィジカルアセスメントの活用が次の課題になると考えられた。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.19.725