呼吸運動時の胸部と腹部の皮膚挙動特性

〔目的〕呼吸運動時の胸部と腹部の皮膚挙動特性を明らかにすることとした.〔対象〕健常成人男性10名とした.〔方法〕背臥位での深呼吸を測定した.マーカーを胸部と腹部に貼付し,横は上胸部,下胸部,上腹部,下腹部の4つに分け,縦は正中列と側方列,正中・側方中間列の5列に分けた.深呼吸時の最大呼気から最大吸気までのマーカー変位量を,3次元動作解析装置を用いた測定から算出し,胸部および腹部における部位に特徴的な皮膚の変位パターンを見出した.〔結果〕呼吸運動時の皮膚の変位量は,上腹部前面で最も大きく,続いて下胸部前面,上胸部前面となった.また各部位の皮膚の変位方向を見ると,上胸部で上下,下胸部で上下と前後の...

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Published in理学療法科学 Vol. 28; no. 2; pp. 279 - 283
Main Authors 加藤, 太郎, 福井, 勉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2013
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.28.279

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Summary:〔目的〕呼吸運動時の胸部と腹部の皮膚挙動特性を明らかにすることとした.〔対象〕健常成人男性10名とした.〔方法〕背臥位での深呼吸を測定した.マーカーを胸部と腹部に貼付し,横は上胸部,下胸部,上腹部,下腹部の4つに分け,縦は正中列と側方列,正中・側方中間列の5列に分けた.深呼吸時の最大呼気から最大吸気までのマーカー変位量を,3次元動作解析装置を用いた測定から算出し,胸部および腹部における部位に特徴的な皮膚の変位パターンを見出した.〔結果〕呼吸運動時の皮膚の変位量は,上腹部前面で最も大きく,続いて下胸部前面,上胸部前面となった.また各部位の皮膚の変位方向を見ると,上胸部で上下,下胸部で上下と前後の動きが大きく,上腹部では全方向への動きが大きかった.〔結語〕呼吸運動時の皮膚挙動特性は,呼吸時の胸郭の生理的運動を反映する.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.28.279