訪問リハビリテーションにおけるリハビリテーション会議の現状

2015年度の介護報酬改定では,訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)利用者に対するリハビリテーション会議(以下,リハ会議)の開催が導入された。当施設においても,介護報酬改定と同時にリハ会議を導入し,利用者支援を充実させてきた。今回,当施設におけるリハ会議の実施状況や利用者の変化について把握することを目的に調査した。調査項目は,利用者の基本属性,リハ会議の検討内容,職種別リハ会議の参加状況,障害高齢者の日常生活自立度を調査した。リハ会議の検討内容は,国際生活機能分類(International Classification of Functioning,Disability and Heal...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 67; no. 5; pp. 563 - 570
Main Authors 土屋, 匡, 関口, 剛, 臼井, 健二, 佐藤, 美智子, 小野沢, 陽*, 若林, 徳則, 青木, 恵利花
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 01.01.2019
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.67.563

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Summary:2015年度の介護報酬改定では,訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)利用者に対するリハビリテーション会議(以下,リハ会議)の開催が導入された。当施設においても,介護報酬改定と同時にリハ会議を導入し,利用者支援を充実させてきた。今回,当施設におけるリハ会議の実施状況や利用者の変化について把握することを目的に調査した。調査項目は,利用者の基本属性,リハ会議の検討内容,職種別リハ会議の参加状況,障害高齢者の日常生活自立度を調査した。リハ会議の検討内容は,国際生活機能分類(International Classification of Functioning,Disability and Health:以下ICF)を用いて分類した。結果は,要介護者108名中,85名(男性34名,女性51名,平均年齢81.4±9.4歳,平均利用期間16.3か月)がリハ会議を実施していた。リハ会議の検討内容は,活動や,環境因子に関する検討が多く,半数以上の者が複数回会議を実施していた。活動や環境因子についての検討が多かったことから,訪問リハにおけるリハ会議は在宅で生活するにあたり,ADL,IADLを拡大するための手段の1つとして有効であることが言える。リハ会議の利点として,利用者側おいては,現状や目標が明確になり,生活範囲の拡大や,介護負担の軽減図られ,リハの効果が見えやすくなることが挙げられる。サービス提供者側としては,他職種との連携がとりやすくなることで,検討内容に即してすぐに生活場面へ対応することができ,利用者支援がさらに充実することが挙げられる。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.67.563