脳血管障害者のヒラメ筋圧迫による痙縮抑制効果の検証

〔目的〕ヒラメ筋の痙縮抑制に効果的な圧迫強度と時間を明らかにすることである.〔対象〕地域在住の慢性期の脳血管障害片麻痺者18名.〔方法〕H波,M波の閾値と最大値の測定をヒラメ筋に対し軟性サポーターを用いた5つの強度(0,20,30,40,50 mmHg)と3つの時間(1,3,5分間)の組み合わせで施行した.臨床で行われているヒラメ筋の6つの痙縮評価も実施した.〔結果〕麻痺側の脊髄運動神経興奮性は,非麻痺側と比較し有意な亢進を示し,これとクローヌス数の間に有意な相関が認められた.40 mmHgで5分と30 mmHgで3分での圧迫により麻痺側の脊髄運動神経興奮性は他の組み合わせと比較して有意に低値...

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Published in理学療法科学 Vol. 29; no. 5; pp. 683 - 687
Main Authors 三浦, 和, 勝平, 純司, 黒澤, 和生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2014
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Summary:〔目的〕ヒラメ筋の痙縮抑制に効果的な圧迫強度と時間を明らかにすることである.〔対象〕地域在住の慢性期の脳血管障害片麻痺者18名.〔方法〕H波,M波の閾値と最大値の測定をヒラメ筋に対し軟性サポーターを用いた5つの強度(0,20,30,40,50 mmHg)と3つの時間(1,3,5分間)の組み合わせで施行した.臨床で行われているヒラメ筋の6つの痙縮評価も実施した.〔結果〕麻痺側の脊髄運動神経興奮性は,非麻痺側と比較し有意な亢進を示し,これとクローヌス数の間に有意な相関が認められた.40 mmHgで5分と30 mmHgで3分での圧迫により麻痺側の脊髄運動神経興奮性は他の組み合わせと比較して有意に低値をみせた.〔結語〕これらの強度と時間の組み合わせでの圧迫は,ヒラメ筋の痙縮抑制の効果を持つ.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.29.683