小学生に発症した新鮮腰椎 分離症の特徴―低学年と高学年の比較

2015 年3 月から2022 年3 月までに当院を受診し,MRI にて新鮮腰椎分離症と診断された小学生51 例を対象とした.検討①では低学年群10 例・13 関節突起間部,高学年群41 例・53 関節突起間部を対象とし,発症時の特徴(性別,罹患椎体のSpina bifida occulta:SBO 保有の有無,椎体高位,片側か両側か,対側陳旧性分離の有無,病期)を両群間で比較した.検討②では骨癒合の可否まで確認できた34例で,低学年群6 例・9 関節突起間部,高学年群28 例・37 関節突起間部を対象とした.両群の骨癒合率の比較と,小学生全体において骨癒合に影響を与える因子の検討を行った.統...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 32; no. 1; pp. 78 - 84
Main Authors 三宅, 秀俊, 渡辺, 知真, 氷見, 量, 石川, 徹也, 杉山, 貴哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会 31.01.2024
日本臨床スポーツ医学会
Subjects
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ISSN1346-4159
2758-3767
DOI10.57474/jjcsm.32.1_78

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Summary:2015 年3 月から2022 年3 月までに当院を受診し,MRI にて新鮮腰椎分離症と診断された小学生51 例を対象とした.検討①では低学年群10 例・13 関節突起間部,高学年群41 例・53 関節突起間部を対象とし,発症時の特徴(性別,罹患椎体のSpina bifida occulta:SBO 保有の有無,椎体高位,片側か両側か,対側陳旧性分離の有無,病期)を両群間で比較した.検討②では骨癒合の可否まで確認できた34例で,低学年群6 例・9 関節突起間部,高学年群28 例・37 関節突起間部を対象とした.両群の骨癒合率の比較と,小学生全体において骨癒合に影響を与える因子の検討を行った.統計処理は検討①と検討②の骨癒合率の比較にχ2 検定とFisherʼs の正確確率検定を用い,骨癒合に影響を与える因子の検討に多重ロジスティック回帰分析を行い,有意水準は5%とした.検討①ではSBO 保有例,両側例,対側陳旧性分離保有例,進行期例の割合が高学年群と比較して低学年で有意に高かった(それぞれp<0.01,p<0.05,p<0.05,p<0.01).検討②では骨癒合率は高学年群より低学年群で有意に低かった(p<0.05).小学生全体では多変量解析による骨癒合の有無に影響を与える因子として病期(初期か進行期か)が抽出された.
ISSN:1346-4159
2758-3767
DOI:10.57474/jjcsm.32.1_78