診断に時間を要したIliosacral screw挿入に伴う上殿動脈仮性動脈瘤の1例

【はじめに】Iliosacral screw(IS screw)挿入に伴う上殿動脈損傷は注意すべき合併症であり,術後に貧血の進行などを契機に早期発見される事が多い.今回診断に時間を要した上殿動脈仮性動脈瘤を経験したため報告する.【症例】68歳男性,40 m滑落し受傷.AO分類61B2. 1,Lateral compression 1の骨盤輪骨折と診断しIS screwによる骨接合術を施行した.術後9ヶ月で発熱と左臀部の著明な腫脹を認め当院救急搬送.造影CT検査で上殿動脈の仮性動脈瘤を認めた.動脈塞栓術,血腫除去術を施行し術後1年で再発を認めていない.【考察】IS screw挿入に伴う上殿動脈損...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 842 - 844
Main Authors 森田, 恭史, 今里, 浩之, 日吉, 優, 山元, 楓子, 平川, 雄介, 山口, 洋一朗, 舩元, 太郎, 中村, 嘉宏, 坂本, 武郎, 帖佐, 悦男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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Summary:【はじめに】Iliosacral screw(IS screw)挿入に伴う上殿動脈損傷は注意すべき合併症であり,術後に貧血の進行などを契機に早期発見される事が多い.今回診断に時間を要した上殿動脈仮性動脈瘤を経験したため報告する.【症例】68歳男性,40 m滑落し受傷.AO分類61B2. 1,Lateral compression 1の骨盤輪骨折と診断しIS screwによる骨接合術を施行した.術後9ヶ月で発熱と左臀部の著明な腫脹を認め当院救急搬送.造影CT検査で上殿動脈の仮性動脈瘤を認めた.動脈塞栓術,血腫除去術を施行し術後1年で再発を認めていない.【考察】IS screw挿入に伴う上殿動脈損傷は考慮しなければならない合併症である.本症例は貧血進行が緩徐であった事,単純CTのみで評価をした事が発見の遅れに繋がった.綿密な術前計画を立てること,上殿動脈損傷の可能性を考慮し合併症を見逃さない事が重要である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.842