患者家族滞在施設のスタッフが捉えた付添い家族の生活

患者家族滞在施設 (ハウス) を利用する家族の生活やハウス利用への反応を明らかにする目的で、スタッフに対しフォーカスグループインタビューを行った。質的内容分析を行った結果、家族の様子を表す86件の語りが抽出され、6カテゴリー【家族の行動】、【家族の置かれた状況】、【家族の心理状況】、【ハウス利用の好感】、【ハウス機能の活用】、【ハウスの認知と理解】と、20のサブカテゴリーに分類された。家族が、慣れない土地で慌ただしく付添い生活を開始し、患児の病状や家族間の問題の深刻さを抱えながら面会に通い詰める様子が語られた。一方で、ハウススタッフや設備に安心してごく普通の日常生活を送ることができ、同じ境遇の...

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Published in日本小児看護学会誌 Vol. 23; no. 3; pp. 77 - 83
Main Author 岩瀬, 貴美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児看護学会 2014
日本小児看護学会
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ISSN1344-9923
2423-8457
DOI10.20625/jschn.23.3_77

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Summary:患者家族滞在施設 (ハウス) を利用する家族の生活やハウス利用への反応を明らかにする目的で、スタッフに対しフォーカスグループインタビューを行った。質的内容分析を行った結果、家族の様子を表す86件の語りが抽出され、6カテゴリー【家族の行動】、【家族の置かれた状況】、【家族の心理状況】、【ハウス利用の好感】、【ハウス機能の活用】、【ハウスの認知と理解】と、20のサブカテゴリーに分類された。家族が、慣れない土地で慌ただしく付添い生活を開始し、患児の病状や家族間の問題の深刻さを抱えながら面会に通い詰める様子が語られた。一方で、ハウススタッフや設備に安心してごく普通の日常生活を送ることができ、同じ境遇の家族同士、ピアサポートとなっていることも語られた。以上より、家族は厳しい状況にありながらもハウス利用により日常性を回復し、負担軽減につながっていることが示唆された。
ISSN:1344-9923
2423-8457
DOI:10.20625/jschn.23.3_77