脳卒中後片麻痺患者における間欠的空気圧迫療法や弾性ストッキング装着は下肢静脈環流を増加させるか

〔目的〕脳卒中後片麻痺患者における間欠的空気圧迫療法や弾性ストッキング装着時の下肢静脈還流の変化について検討することとした.〔対象〕深部静脈血栓症を有していない麻痺が中等度~重度の慢性期脳卒中後片麻痺患者11名とした.〔方法〕11名に間欠的空気圧迫療法を施行し,その内6名には弾性ストッキング装着を行った.静脈環流の評価指標として,麻痺側大腿静脈の最大血流速度,平均血流速度,分時血流量,下腿局所の酸素化ヘモグロビン量,脱酸素化ヘモグロビン量,全ヘモグロビン量を安静時と比較した.〔結果〕間欠的空気圧迫療法施行時の平均血流速度でのみ有意な減少がみられた.〔結語〕間欠的空気圧迫療法施行と弾性ストッキン...

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Published in理学療法科学 Vol. 31; no. 3; pp. 479 - 483
Main Authors 松岡, 文三, 安倍, 基幸, 丸山, 仁司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2016
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Summary:〔目的〕脳卒中後片麻痺患者における間欠的空気圧迫療法や弾性ストッキング装着時の下肢静脈還流の変化について検討することとした.〔対象〕深部静脈血栓症を有していない麻痺が中等度~重度の慢性期脳卒中後片麻痺患者11名とした.〔方法〕11名に間欠的空気圧迫療法を施行し,その内6名には弾性ストッキング装着を行った.静脈環流の評価指標として,麻痺側大腿静脈の最大血流速度,平均血流速度,分時血流量,下腿局所の酸素化ヘモグロビン量,脱酸素化ヘモグロビン量,全ヘモグロビン量を安静時と比較した.〔結果〕間欠的空気圧迫療法施行時の平均血流速度でのみ有意な減少がみられた.〔結語〕間欠的空気圧迫療法施行と弾性ストッキング装着とも静脈環流の大きな変化を示さなかったことより,機械的予防法には限界があることが示唆される.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.31.479