心肺蘇生法を実施したバイスタンダーに対する心的ケアに関する救急隊員へのアンケート調査

心肺蘇生法を実施した一般市民(バイスタンダー)の精神的ストレスに対して心的ケアが必要となる場合があることが最近報告されている。救急現場でバイスタンダーに最初に接触することの多い救急隊員に対して,心肺蘇生法を実施したバイスタンダーに対する心的ケアに関する救急隊員へのアンケート調査を実施した。対象は熊本市消防局に在職する救急隊員191名である(回収率100%)。調査内容はバイスタンダーの精神的ストレスに関する認識やその対策等についてである。その結果,62%の隊員がこの問題を認識しており,66%が実際の救急現場で心的ケアの必要性を感じていた。また,ねぎらいの言葉をかけるなどの対応を行った隊員も半数以...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 20; no. 4; pp. 572 - 576
Main Authors 池田, 光隆, 入江, 弘基, 池松, 英治, 金子, 唯, 笠岡, 俊志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 2017
日本臨床救急医学会
Subjects
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.20.572

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Summary:心肺蘇生法を実施した一般市民(バイスタンダー)の精神的ストレスに対して心的ケアが必要となる場合があることが最近報告されている。救急現場でバイスタンダーに最初に接触することの多い救急隊員に対して,心肺蘇生法を実施したバイスタンダーに対する心的ケアに関する救急隊員へのアンケート調査を実施した。対象は熊本市消防局に在職する救急隊員191名である(回収率100%)。調査内容はバイスタンダーの精神的ストレスに関する認識やその対策等についてである。その結果,62%の隊員がこの問題を認識しており,66%が実際の救急現場で心的ケアの必要性を感じていた。また,ねぎらいの言葉をかけるなどの対応を行った隊員も半数以上あった。効果的な対策として,多くの隊員が「心肺蘇生法講習会における教育」をあげていた。救急隊員がバイスタンダーの精神的ストレスについて認識を深めるとともに,精神的ストレスの対応策に関するさらなる検討が必要と考えられた。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.20.572