先端巨大症に伴う骨格性下顎前突症に外科的矯正治療を行った1例
「緒言」先端巨大症は脳下垂体腺腫による成長ホルモン(Growth Hormone, 以下GH)の病的分泌に伴い, 四肢の末端肥大, 心肥大, 骨関節障害, 代謝異常といった多彩な症状を引き起こす内分泌疾患である. 口腔顎顔面領域では下顎前突, 口唇・舌肥大, 眉弓部の膨隆などにより特徴的な顔貌を示す. 原疾患である脳下垂体腺腫の治療によりGHの病的分泌が抑制され, 軟組織に生じた変化は軽快するものの, 顎骨の変形は改善しない. したがって, 先端巨大症に起因した顎骨の変形に対しては, 機能的および形態的な改善を目的とした外科的矯正治療が必要となる. 今回われわれは, 下垂体腺腫摘出後に薬物治療...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 31; no. 4; pp. 197 - 203 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
2021
日本顎変形症学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0916-7048 1884-5045 |
DOI | 10.5927/jjjd.31.197 |
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Summary: | 「緒言」先端巨大症は脳下垂体腺腫による成長ホルモン(Growth Hormone, 以下GH)の病的分泌に伴い, 四肢の末端肥大, 心肥大, 骨関節障害, 代謝異常といった多彩な症状を引き起こす内分泌疾患である. 口腔顎顔面領域では下顎前突, 口唇・舌肥大, 眉弓部の膨隆などにより特徴的な顔貌を示す. 原疾患である脳下垂体腺腫の治療によりGHの病的分泌が抑制され, 軟組織に生じた変化は軽快するものの, 顎骨の変形は改善しない. したがって, 先端巨大症に起因した顎骨の変形に対しては, 機能的および形態的な改善を目的とした外科的矯正治療が必要となる. 今回われわれは, 下垂体腺腫摘出後に薬物治療を行い, 血中GHおよびインスリン様成長因子1(Insulin-like growth factor 1, 以下IGF-1)の分泌が安定した先端巨大症患者に対して, 下顎前突症に伴う咬合不全の改善を目的に外科的矯正治療を施行し, 良好な結果を得たので, 文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd.31.197 |