デノスマブ投与6か月後の骨密度変化率についての検討
デノスマブの海外・国内第3相試験においては,腰椎のみならず大腿骨頸部に対しても骨密度を上昇させる結果が報告され,骨密度の低下した高齢者の大腿骨近位部骨折予防効果が期待される.当院でデノスマブ(60mg)の皮下投与を行った女性骨粗鬆症患者68例(平均年齢77.8歳)を対象とし6か月の短期成績を調査した.デノスマブ投与前に骨代謝マーカー(BAP, TRACP-5b),骨密度(腰椎(L2-4)と大腿骨頸部)の測定を行い,投与3か月後に骨代謝マーカーを,投与6か月後に骨密度を測定し検討を行った.6か月後の骨密度の平均変化率は腰椎で5.2%,大腿骨頸部で1.6%の増加であった.また,BAPの変化率(3か...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 3; pp. 398 - 401 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2015
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.64.398 |
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Summary: | デノスマブの海外・国内第3相試験においては,腰椎のみならず大腿骨頸部に対しても骨密度を上昇させる結果が報告され,骨密度の低下した高齢者の大腿骨近位部骨折予防効果が期待される.当院でデノスマブ(60mg)の皮下投与を行った女性骨粗鬆症患者68例(平均年齢77.8歳)を対象とし6か月の短期成績を調査した.デノスマブ投与前に骨代謝マーカー(BAP, TRACP-5b),骨密度(腰椎(L2-4)と大腿骨頸部)の測定を行い,投与3か月後に骨代謝マーカーを,投与6か月後に骨密度を測定し検討を行った.6か月後の骨密度の平均変化率は腰椎で5.2%,大腿骨頸部で1.6%の増加であった.また,BAPの変化率(3か月)と大腿骨骨密度変化率(6か月)に弱い負の相関を認めた.さらに75歳以上の50例についてADLの違いによる骨密度変化率を検討した結果,日常生活が自立している群で大腿骨頸部骨密度変化率が有意に高く,薬物治療下に歩行による荷重ストレスの重要性が示唆された. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.64.398 |