下腿部粘液線維肉腫術後の広範囲皮膚欠損に対してV.A.C.Veraflo™ Therapy Systemを用いた1例

当科では,悪性軟部腫瘍術後の皮膚・軟部組織欠損に対して,2011年よりVacccum-assisted closure(以下,VAC)治療を使用し,その有用性を報告してきた.今回新たな洗浄機能付きのV.A.C.Veraflo™治療を用いた1例を経験したので報告する.症例は84歳女性.右下腿の腫瘤を主訴に当科紹介となり,針生検にて粘液線維肉腫の病理診断となった.MRIでは右下腿外側に径5×4×3 cmの腫瘤性病変を認め,皮下から筋肉内に進展し,筋膜上および筋間に浸潤性発育をしていた.遠隔転移を認めず,広範切除しV.A.C.Veraflo™治療を行った後に,二期的に植皮術を行った.皮膚欠損は下腿周...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 4; pp. 880 - 883
Main Authors 満瀬, 葉介, 山元, 雅典, 末吉, 貴直, 宮本, 健史, 佐藤, 広生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2020
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.69.880

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Summary:当科では,悪性軟部腫瘍術後の皮膚・軟部組織欠損に対して,2011年よりVacccum-assisted closure(以下,VAC)治療を使用し,その有用性を報告してきた.今回新たな洗浄機能付きのV.A.C.Veraflo™治療を用いた1例を経験したので報告する.症例は84歳女性.右下腿の腫瘤を主訴に当科紹介となり,針生検にて粘液線維肉腫の病理診断となった.MRIでは右下腿外側に径5×4×3 cmの腫瘤性病変を認め,皮下から筋肉内に進展し,筋膜上および筋間に浸潤性発育をしていた.遠隔転移を認めず,広範切除しV.A.C.Veraflo™治療を行った後に,二期的に植皮術を行った.皮膚欠損は下腿周径の3/4に及び欠損サイズは288 cm²であったが,術後10日目には良好な肉芽形成があり術後4週には植皮可能な状態となった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.69.880