上腕骨近位端骨折に対するPin Lock NailTMの使用経験

【目的】上腕骨近位端骨折は高齢者に多く,高齢社会の我が国では介護の面からも早期に施設でも管理可能とする事が求められる時代となった.種々の内固定器材の中でも髄内釘長が細くて短いPin Lock NailTM(MIZUHO corp,Tokyo)は腱板や骨関節に与える影響が少なく,さらに髄内釘によるより良い固定力も期待された.【対象】対象は平成18年から24年までに上腕骨近位端骨折に対して観血的手術を行った12例で,男性2例,女性10例,平均年齢78.3歳,平均観察期間は12.4ヶ月であった.骨折型はAO分類でA2:2例,A3:6例,B2:2例,C2:2例であった.【結果】術後最終観察時でのJOA...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 1; pp. 140 - 144
Main Authors 田中, 寿人, 笠原, 貴紀, 秋山, 菜奈絵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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Summary:【目的】上腕骨近位端骨折は高齢者に多く,高齢社会の我が国では介護の面からも早期に施設でも管理可能とする事が求められる時代となった.種々の内固定器材の中でも髄内釘長が細くて短いPin Lock NailTM(MIZUHO corp,Tokyo)は腱板や骨関節に与える影響が少なく,さらに髄内釘によるより良い固定力も期待された.【対象】対象は平成18年から24年までに上腕骨近位端骨折に対して観血的手術を行った12例で,男性2例,女性10例,平均年齢78.3歳,平均観察期間は12.4ヶ月であった.骨折型はAO分類でA2:2例,A3:6例,B2:2例,C2:2例であった.【結果】術後最終観察時でのJOAスコアは平均78.3点であった.【まとめ】Pin Lock NailTMで良好な成績が得られた.髄内釘で手術を行う場合はネイル挿入前の整復とネイル挿入位置が肝要である.本髄内釘は刺入部大結節に骨折線がない場合は外側刺入で3点固定を得た方が固定性が良かった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.140