モーターコントロールからみた歩行

本稿では, 歩行における運動制御について随意性と自動性の観点から概説した. まず随意性の高い運動の制御について「システムアプローチ」の視点から解説した. また自動性の高い運動の制御については, 近年その役割がさらに明確にされてきている中枢性パターン発生器の機能を中心にして述べた. 随意運動とは自由意志に基づく運動である. したがって動作を行うという意思決定が脳内のどこかでなされたのに引き続き, 動作目標の設定, 姿勢, 運動方向, 範囲, タイミング, 使用する筋の種類, 発生する力の調整等々の諸条件を中枢神経系で決定し, これらの情報が運動の最終共通経路である運動単位に伝えられて随意運動は遂...

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Published in理学療法科学 Vol. 17; no. 1; pp. 19 - 24
Main Author 福士, 宏紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2002
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.17.19

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Summary:本稿では, 歩行における運動制御について随意性と自動性の観点から概説した. まず随意性の高い運動の制御について「システムアプローチ」の視点から解説した. また自動性の高い運動の制御については, 近年その役割がさらに明確にされてきている中枢性パターン発生器の機能を中心にして述べた. 随意運動とは自由意志に基づく運動である. したがって動作を行うという意思決定が脳内のどこかでなされたのに引き続き, 動作目標の設定, 姿勢, 運動方向, 範囲, タイミング, 使用する筋の種類, 発生する力の調整等々の諸条件を中枢神経系で決定し, これらの情報が運動の最終共通経路である運動単位に伝えられて随意運動は遂行される1).
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.17.19