他動的背屈位保持時の腓腹筋筋形状変化に関する超音波エコーによる検討

本報告の目的は健常者を対象に理学療法で多く用いられている手技である他動的な足関節背屈位保持時の腓腹筋の形状変化を非侵襲的測定法である超音波法を用いて矢状面上で撮影し,画像から得られた停止腱と筋束とのなす角(羽状角)と背屈位保持に拮抗する底屈筋のトルク値(足底への押し付け力)を測定することで超音波法が理学療法効果の検証の一助となり得るかを検討することである。結果,各測定値の信頼性は高かった。また底屈位と比較して背屈位で羽状角の減少と足底への押し付け力の増大を認めた。これらのことから他動的な背屈保持における筋形状変化に関するマクロ的な基礎的情報としては,腱の受動的張力の発生による羽状角の減少が示唆...

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Published in理学療法科学 Vol. 22; no. 2; pp. 229 - 234
Main Authors 隈元, 庸夫, 伊藤, 俊一, 久保田, 健太, 山本, 巖, 阿部, 康次, 藤原, 孝之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2007
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Summary:本報告の目的は健常者を対象に理学療法で多く用いられている手技である他動的な足関節背屈位保持時の腓腹筋の形状変化を非侵襲的測定法である超音波法を用いて矢状面上で撮影し,画像から得られた停止腱と筋束とのなす角(羽状角)と背屈位保持に拮抗する底屈筋のトルク値(足底への押し付け力)を測定することで超音波法が理学療法効果の検証の一助となり得るかを検討することである。結果,各測定値の信頼性は高かった。また底屈位と比較して背屈位で羽状角の減少と足底への押し付け力の増大を認めた。これらのことから他動的な背屈保持における筋形状変化に関するマクロ的な基礎的情報としては,腱の受動的張力の発生による羽状角の減少が示唆され,超音波法は理学療法効果の検証の一手段となりうると考えられた。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.22.229