食物アレルギー起因のアナフィラキシー対応に対する保育所看護職者が認識する困難感

本研究は、食物アレルギー児のアナフィラキシーショック発症時の対応に対して保育所看護職者が認識している困難感を明らかにし、保育所内の救急処置体制の構築によりアドレナリン自己注射薬を持参する子どもを受け入れ対応するために必要な支援について検討することを目的としている。研究協力の得られた保育所看護職者9名を対象に、インタビューガイドに基づきインタビューを実施した。内容分析の手法を用い質的帰納的に分析した結果、【職員全体の緊急時の対応力に対する不安】、【緊急時の対応を担う負担感】、【緊急時対応のための体制が不十分】、【保護者・医師と園との対応方針の相違】の4つのカテゴリーが形成された。全保育所への看護...

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Published in日本小児看護学会誌 Vol. 25; no. 3; pp. 1 - 8
Main Authors 阿久澤, 智恵子, 金泉, 志保美, 佐光, 恵子, 青栁, 千春
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児看護学会 2016
日本小児看護学会
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ISSN1344-9923
2423-8457
DOI10.20625/jschn.25.3_1

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Summary:本研究は、食物アレルギー児のアナフィラキシーショック発症時の対応に対して保育所看護職者が認識している困難感を明らかにし、保育所内の救急処置体制の構築によりアドレナリン自己注射薬を持参する子どもを受け入れ対応するために必要な支援について検討することを目的としている。研究協力の得られた保育所看護職者9名を対象に、インタビューガイドに基づきインタビューを実施した。内容分析の手法を用い質的帰納的に分析した結果、【職員全体の緊急時の対応力に対する不安】、【緊急時の対応を担う負担感】、【緊急時対応のための体制が不十分】、【保護者・医師と園との対応方針の相違】の4つのカテゴリーが形成された。全保育所への看護師配置を法や指針で明確にし、人件費の補助を負担するなどの具体的な対策が望まれる。また、保育所看護職者が自信をもって保育職員への教育的役割を遂行していけるよう研修体制や法的な権限保護などの支援体制の整備が必要であることが示唆された。
ISSN:1344-9923
2423-8457
DOI:10.20625/jschn.25.3_1