食道がん患者胸腔鏡下食道切除術の周術期リハビリテーションにおける早期離床の効果

食道がんの胸腔鏡下食道切除術は,従来よりも手術後の早期離床を図ることが可能であり術後回復に効果的であると考えられた。早期離床を目的とした周術期リハビリの介入効果を明らかにすべく,年度毎の比較検討を行なった。方法は2008年から2010年に当院にて食道がん手術施行例を対象に,術後合併症,ICU在室日数,離床時期,運動機能の変化などについて,カルテより後方視的調査を行なった。早期離床アプローチは2009年より開始され,呼吸筋訓練などの呼吸理学療法は特段行なわなかった。結果,術後呼吸器合併症の発症率は2.2%,非合併症例127例に関して,ICU在室日数が短縮し,離床の促進が認められた。また下肢筋力は...

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Published in理学療法の歩み Vol. 25; no. 1; pp. 22 - 28
Main Authors 古澤, 義人, 馬場, 健太郎, 小玉, 岳, 加藤, 貴志, 仲冨, 千瑞, 宮田, 剛, 南島, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会 2014
宮城県理学療法士会
Subjects
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ISSN0917-2688
1882-1464
DOI10.11342/mpta.25.22

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Summary:食道がんの胸腔鏡下食道切除術は,従来よりも手術後の早期離床を図ることが可能であり術後回復に効果的であると考えられた。早期離床を目的とした周術期リハビリの介入効果を明らかにすべく,年度毎の比較検討を行なった。方法は2008年から2010年に当院にて食道がん手術施行例を対象に,術後合併症,ICU在室日数,離床時期,運動機能の変化などについて,カルテより後方視的調査を行なった。早期離床アプローチは2009年より開始され,呼吸筋訓練などの呼吸理学療法は特段行なわなかった。結果,術後呼吸器合併症の発症率は2.2%,非合併症例127例に関して,ICU在室日数が短縮し,離床の促進が認められた。また下肢筋力は術後に減少したものの,6MDについては術後の減少が見られなくなった。食道がん胸腔鏡下食道切除術例に対し早期離床を行った結果,安全かつ順調に離床度の向上が得られ,周術期リハビリの介入方法として,早期離床が有用である可能性が示唆された。
ISSN:0917-2688
1882-1464
DOI:10.11342/mpta.25.22