フラクトオリゴ糖の配合が麦芽飲料中カルシウムの吸収に及ぼす影響と長期飲用時の安全性に関する検討

フラクトオリゴ糖 (FOS, 3g) を含む麦芽飲料の摂取 (200ml) によるカルシウム吸収促進効果を評価するために, カルシウム安定同位体44Caを用いて, 20~22歳の健康な女子大学生8名を対象とした二重盲検クロスオーバー方式のカルシウム吸収試験を行った。FOSを配合した試験飲料摂取, 8時間および10時間後の尿中44Ca/43Ca排泄比は, FOSを配合していない対照飲料摂取時に比して有意な上昇が観察された。尿中総カルシウム排泄量の積算量に関しても, 試験飲料摂取4時間後以降12時間後までの各時点で, 対照飲料摂取時に比して有意な高値を示した。 また, 安定同位体を含まないFOSを...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 60; no. 1; pp. 11 - 18
Main Authors 太田, 篤胤, 香川, 靖雄, 福島, 洋一, 上西, 一弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 01.02.2002
日本栄養改善学会
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.60.11

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Summary:フラクトオリゴ糖 (FOS, 3g) を含む麦芽飲料の摂取 (200ml) によるカルシウム吸収促進効果を評価するために, カルシウム安定同位体44Caを用いて, 20~22歳の健康な女子大学生8名を対象とした二重盲検クロスオーバー方式のカルシウム吸収試験を行った。FOSを配合した試験飲料摂取, 8時間および10時間後の尿中44Ca/43Ca排泄比は, FOSを配合していない対照飲料摂取時に比して有意な上昇が観察された。尿中総カルシウム排泄量の積算量に関しても, 試験飲料摂取4時間後以降12時間後までの各時点で, 対照飲料摂取時に比して有意な高値を示した。 また, 安定同位体を含まないFOSを配合した試験飲料について, 2~40歳の健康な小児あるいは成人を対照として13週間の連続摂取試験を行ったところ, 測定した指標はいずれも基準値内であった。 これらの結果により, FOSを配合することにより, 麦芽飲料のカルシウムの吸収性が高まり, 骨の健康維持のためのカルシウム補給により適した飲料となることが示唆された。また, カルシウム吸収の測定系として, 安定同位体44Caの使用は有効な手段であった。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.60.11