平地とトレッドミル上の快適歩行速度比較と加速度計を用いた身体活動量測定について

〔目的〕トレッドミル上の快適歩行速度(PST)は,平地での快適歩行速度(PSF)より速く感じる。しかし,実測値はPSTはPSFより遅くなると報告されている。これまでに,その際の身体活動量を加速度計から求めた報告はない。本研究の目的は,PSTとPSFの速度と活動量の相違について,加速度計を用い,比較検討することである。〔対象〕実験1は,若年健康者3名(男性3名:平均年齢20歳),実験2は,若年健康者15名(男性12名,女性3名:平均年齢21歳)を対象とした。〔方法〕トレッドミル上で速度を変化させ,トレッドミル上歩行での酸素摂取量と加速度変化を求めた。また,PSFとPSTの速度と加速度変化の比較も...

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Published in理学療法科学 Vol. 23; no. 5; pp. 653 - 657
Main Authors 武井, 圭一, 黒澤, 和生, 齋藤, 信夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2008
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.23.653

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Summary:〔目的〕トレッドミル上の快適歩行速度(PST)は,平地での快適歩行速度(PSF)より速く感じる。しかし,実測値はPSTはPSFより遅くなると報告されている。これまでに,その際の身体活動量を加速度計から求めた報告はない。本研究の目的は,PSTとPSFの速度と活動量の相違について,加速度計を用い,比較検討することである。〔対象〕実験1は,若年健康者3名(男性3名:平均年齢20歳),実験2は,若年健康者15名(男性12名,女性3名:平均年齢21歳)を対象とした。〔方法〕トレッドミル上で速度を変化させ,トレッドミル上歩行での酸素摂取量と加速度変化を求めた。また,PSFとPSTの速度と加速度変化の比較も行った。各測定の際,腰背部に装着した小型3軸加速度変換器から快適歩行時の3次元の加速度変化を解析した。加速度変化の積分値(総力積)を求め活動量の指標にした。各条件の比較には1元配置の分散分析(反復測定)を用い有意差を求めた。〔結果〕PSFとその活動量がPSTに比べ有意に高いことが示された。PSFに比べPSTは遅くなるという従来からの報告と同様の結果が得られた。活動量についてもPSFよりPSTが低下し,その差を加速度計より検出できることが確認できた。〔結語〕加速度計から求めた活動量は,平地歩行に対しては臨床上活用できることが示唆された。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.23.653