マンシェットによるラット骨格筋への血流制限と 組織血液酸素飽和度の経時的変化

〔目的〕筋肥大効果の得られる一時的な血流制限の条件を明らかにすることである.〔対象と方法〕対象は,Wistar系雄性ラット5頭とした.マンシェットを使用してラット下腿筋へ200 mmHgの血流制限を行った.血流制限開始時の筋内の組織血液酸素飽和度(StO2)を100%,血流制限開始より6分間におけるStO2の最低値を0%とした(%StO2).開始時から6分値まで,各分のStO2を比較した.〔結果〕%StO2は,血流制限開始後より3分まで右肩下がりに下降し,その後はわずかに低下してプラトーに達した.〔結語〕%StO2が低いほど筋肥大効果が期待できる場合,駆血時間は4分以上の方が優位となる.しかし...

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Published in理学療法科学 Vol. 35; no. 1; pp. 49 - 52
Main Authors 今野, 哲男, 村尾, 昌信, 秋山, 純一, 川上, 照彦, 中嶋, 正明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2020
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Summary:〔目的〕筋肥大効果の得られる一時的な血流制限の条件を明らかにすることである.〔対象と方法〕対象は,Wistar系雄性ラット5頭とした.マンシェットを使用してラット下腿筋へ200 mmHgの血流制限を行った.血流制限開始時の筋内の組織血液酸素飽和度(StO2)を100%,血流制限開始より6分間におけるStO2の最低値を0%とした(%StO2).開始時から6分値まで,各分のStO2を比較した.〔結果〕%StO2は,血流制限開始後より3分まで右肩下がりに下降し,その後はわずかに低下してプラトーに達した.〔結語〕%StO2が低いほど筋肥大効果が期待できる場合,駆血時間は4分以上の方が優位となる.しかし,筋肥大効果誘発の要因として低%StO2状態の継続時間も考えられ,さらなる検討が必要である.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.35.49