高アミロース米粉を利用した粥ゼリーの物性調査

嚥下調整食においても主食は欠かせないものであるが,粥の調理や粥をミキサーにかける調理には手間と時間を要する.本研究では,米粉を用いることで嚥下調整食の主食調理の簡便化を図ることを目的として,通常の米よりも澱粉中のアミロース含有率の高い高アミロース米の米粉を用いて,嚥下調整食の主食の調理を試みた.高アミロース米粉を用いた場合,IH 電磁調理器あるいは電子レンジを用いた場合でも,嚥下食に適する物性を示す軟らかく滑らかな粥ゼリーの調理が可能であった.一方,一般品種の米粉はゼリー状にはならなかった.ゲル形成のための冷却時間を1.5 時間にしても16 時間にしても,出来上がった粥ゼリーの物性は同等であっ...

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Published in日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 27; no. 1; pp. 44 - 52
Main Authors 芦田, かなえ, 藤谷, 順子, 本川, 佳子, 坪川, 操, 西村, 一弘, 藤原, 恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 30.04.2023
日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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Summary:嚥下調整食においても主食は欠かせないものであるが,粥の調理や粥をミキサーにかける調理には手間と時間を要する.本研究では,米粉を用いることで嚥下調整食の主食調理の簡便化を図ることを目的として,通常の米よりも澱粉中のアミロース含有率の高い高アミロース米の米粉を用いて,嚥下調整食の主食の調理を試みた.高アミロース米粉を用いた場合,IH 電磁調理器あるいは電子レンジを用いた場合でも,嚥下食に適する物性を示す軟らかく滑らかな粥ゼリーの調理が可能であった.一方,一般品種の米粉はゼリー状にはならなかった.ゲル形成のための冷却時間を1.5 時間にしても16 時間にしても,出来上がった粥ゼリーの物性は同等であった.調理した粥ゼリーは,再加熱すると軟らかくなったが,24℃下あるいは45℃下で3 時間の間安定的に嚥下食に適合する物性を示した.以上から,高アミロース米粉を用いることで,嚥下食に適する物性を示す粥ゼリーが簡便に調理できる可能性が示された.
ISSN:1343-8441
2434-2254
DOI:10.32136/jsdr.27.1_44