前屈および後屈障害型腰痛における運動療法の効果

腰痛男性患者106例(年齢43.5歳)に対しMcKenzie法を行い,4週後にJOAスコア,VAS,SF-36を評価し,伸展·屈曲中の腰背筋の酸素化を近赤外分光法(NIRS)で評価し,酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb),脱酸素化ヘモグロビン(Deoxy-Hb),組織酸素化率(SdO2)を計測した.前屈障害型61例,後屈障害型45例であった.前屈障害型で腰椎屈曲時のDeoxy-Hb増加およびSdO2低下が有意であった.VASおよびSF-36でのPF,RP,BPの改善は有意に後屈障害型で良好であった.運動療法後はNIRS測定で前屈障害型で腰椎伸展時のOxy-Hbが有意に増加していた.これは前屈障害...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 14; no. 1; pp. 87 - 95
Main Authors 酒井, 義人, 松山, 幸弘, 伊藤, 全哉, 石黒, 直樹, 岡本, 晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2008
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Summary:腰痛男性患者106例(年齢43.5歳)に対しMcKenzie法を行い,4週後にJOAスコア,VAS,SF-36を評価し,伸展·屈曲中の腰背筋の酸素化を近赤外分光法(NIRS)で評価し,酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb),脱酸素化ヘモグロビン(Deoxy-Hb),組織酸素化率(SdO2)を計測した.前屈障害型61例,後屈障害型45例であった.前屈障害型で腰椎屈曲時のDeoxy-Hb増加およびSdO2低下が有意であった.VASおよびSF-36でのPF,RP,BPの改善は有意に後屈障害型で良好であった.運動療法後はNIRS測定で前屈障害型で腰椎伸展時のOxy-Hbが有意に増加していた.これは前屈障害型における治療効果を反映すると考えられ,前屈障害型における筋性要素の関与が示唆された.しかし4週での運動療法の効果は後屈障害型で顕著であり,前屈障害型では運動療法のみではなく筋力増強訓練などの併用が望ましいと考える.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.14.87