硝酸カドミウム静脈内投与後の急性毒性および動態

産業分野におけるカドミウム(Cd)化合物の用途は主にNi-Cd電池である[1]. 電池製造工程における曝露物質としては酸化カドミウム(CdO)および硝酸カドミウム水和物(CN)が挙げられる[2, 3]. 一般的にCd化合物における慢性毒性に関する報告は数多い[4, 5]が, 産業保健上, Cdは経気道的な曝露事故に注意を要し, 急速な血中移行による急性毒性を検討すべきと考えられる. 現在, 産業現場で数多く使用されているCdOの研究[6, 7]に比しCNの急性毒性に関する報告は殆ど無い. そこで急性曝露後の致死毒性および生体影響について特に肝毒性及び血中ならびに胆汁中Cd動態の観点から検討した...

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Published inBIOMEDICAL RESEARCH ON TRACE ELEMENTS Vol. 16; no. 4; pp. 336 - 340
Main Authors 土手, 江美, 土手, 友太郎, 臼田, 寛, 清水, 宏泰, 三井, 剛, 足立, 和也, 藤原, 美智子, 新保, 有佳里, 河野, 公一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本微量元素学会 2005
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Summary:産業分野におけるカドミウム(Cd)化合物の用途は主にNi-Cd電池である[1]. 電池製造工程における曝露物質としては酸化カドミウム(CdO)および硝酸カドミウム水和物(CN)が挙げられる[2, 3]. 一般的にCd化合物における慢性毒性に関する報告は数多い[4, 5]が, 産業保健上, Cdは経気道的な曝露事故に注意を要し, 急速な血中移行による急性毒性を検討すべきと考えられる. 現在, 産業現場で数多く使用されているCdOの研究[6, 7]に比しCNの急性毒性に関する報告は殆ど無い. そこで急性曝露後の致死毒性および生体影響について特に肝毒性及び血中ならびに胆汁中Cd動態の観点から検討した. 方法 (1)9週齢雄性SDラット(n=30)を6群(各5匹)に分け, CNを5.4, 5.9, 6.3, 7.1, 7.6, 8.2mg/kg尾静脈よりインフユージョンポンプを使用し5分間で投与した. プロビット法にて24時間Lethal Dose(LD)を推定した. (2)同週齢同種ラット(n=20)を4群(各5匹)に分け, (1)で得られたLD90を上限として量一反応影響を検討するため用量比1:2:3に相当するCNを2.7, 5.4, 8.1(mg/kg)およびコントロール群として生理食塩水(2ml)を尾静脈より同様に投与した.
ISSN:0916-717X
1880-1404
DOI:10.11299/brte.16.336