多因子疾患の遺伝子解析:遺伝子同定から臨床応用へ

多因子疾思の発症と進展は,遺伝要因と非遺伝要因(環境要因)との複雑な相互作用によって規定されると考えられる.「多因子疾患の遺伝子解析研究をいかに効率的に進めて疾患感受性遺伝子同定にたどりつくか」という命題に関して,平成13年11月,国家プロジェクト(ミレニアム・ゲノムプロジェクト)に携わる研究者が集まって「箱根山シンポジウム」を開催した.大きく三つのテーマー研究のデザインと統計解析.遺伝子解析の現状,疾患遺伝子 同定とcausalityを証明するためのポストゲノム戦略ーに関して,海外から4名,国内から15名の先泣的研究者が発表したその討論を通じて,①多因子疾患の遺伝子解析に適切なサンプル,②望...

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Published in家族性腫瘍 Vol. 3; no. 1; pp. 26 - 29
Main Authors 笹月, 健彦, 加藤, 規弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家族性腫瘍学会 2003
家族性腫瘍研究会
一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会
The Japanese Society for Hereditary Tumors
Subjects
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ISSN1346-1052
2189-6674
DOI10.18976/jsft.3.1_26

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Summary:多因子疾思の発症と進展は,遺伝要因と非遺伝要因(環境要因)との複雑な相互作用によって規定されると考えられる.「多因子疾患の遺伝子解析研究をいかに効率的に進めて疾患感受性遺伝子同定にたどりつくか」という命題に関して,平成13年11月,国家プロジェクト(ミレニアム・ゲノムプロジェクト)に携わる研究者が集まって「箱根山シンポジウム」を開催した.大きく三つのテーマー研究のデザインと統計解析.遺伝子解析の現状,疾患遺伝子 同定とcausalityを証明するためのポストゲノム戦略ーに関して,海外から4名,国内から15名の先泣的研究者が発表したその討論を通じて,①多因子疾患の遺伝子解析に適切なサンプル,②望ましい研究デザイン,③遺伝的 多様性および人種的多様性,④遺伝子解析の限界`の4点がクローズアップされた.そして「自分たちが現在,ど のような状況にあるのがそしてどのような方向にこれから研究を進めようとしているのか」を参加した研究者一同が認識できた点で有意義であったと思われる.
ISSN:1346-1052
2189-6674
DOI:10.18976/jsft.3.1_26