子どもの視覚探索における認知機能と情報提示方法に関する研究

本研究では,認知機能の発達段階にある子どもが,情報機器の画面上に提示されたアイコンを探索する際にどのような傾向が見られるのか,発達とともにどのようにパフォーマンスへ影響するのかについて検討した.4歳児,6歳児,成人の各10名を対象に,アイコンの提示項目数と提示配列の2つに関する実験を行った.提示項目数に関しては,PC画面上に2~10個のアイコンをランダムに提示した中からターゲットを探し出す探索課題を行い,成功率と選択反応時間の結果から,アイコンの探索には短期記憶の能力が影響している可能性があり,その発達とともにパフォーマンス向上の度合いが違うことがわかった.提示配列に関しては,アイコンを縦配列...

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Published in人間工学 Vol. 56; no. 2; pp. 58 - 67
Main Authors 岡田, 明, 阪野, 史子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 15.04.2020
日本人間工学会
Subjects
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ISSN0549-4974
1884-2844
DOI10.5100/jje.56.58

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Summary:本研究では,認知機能の発達段階にある子どもが,情報機器の画面上に提示されたアイコンを探索する際にどのような傾向が見られるのか,発達とともにどのようにパフォーマンスへ影響するのかについて検討した.4歳児,6歳児,成人の各10名を対象に,アイコンの提示項目数と提示配列の2つに関する実験を行った.提示項目数に関しては,PC画面上に2~10個のアイコンをランダムに提示した中からターゲットを探し出す探索課題を行い,成功率と選択反応時間の結果から,アイコンの探索には短期記憶の能力が影響している可能性があり,その発達とともにパフォーマンス向上の度合いが違うことがわかった.提示配列に関しては,アイコンを縦配列と横配列の2種類をPC画面上へランダムに提示した中からターゲットを探し出す探索課題を行った.そして,成功率と選択反応時間の結果から,横配列の方が4歳児と成人にとって探索しやすい傾向になることがわかった.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.56.58