亜鉛比色測定試薬 アキュラスオートZn

「1. 開発の経緯」 亜鉛は生体内に広く分布する必須微量金属のひとつであり, 多くの金属酵素の重要な構成成分として存在する. そのため, 亜鉛欠乏の検出は疾患の治療に結びつく重要な情報のひとつとなる. 従来, 原子吸光法や用手法にて測定が行われていたが, 試料の前処理が必要なこと, 試料量が多く必要なことなどが課題であった. アキュラスオートZn(以下, 本品)はこれらの課題を解決し, 2005年12月に対外診断用医薬品の製造販売承認を受けた. 「2. 測定原理」 本品は, 直接法(2-(5-Bromo-2-pyridylazo)-5-[N-n-propyl-N-(3-sulfopropyl)...

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Published inBIOMEDICAL RESEARCH ON TRACE ELEMENTS Vol. 26; no. 1; pp. 7 - 9
Main Author 日暮, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本微量元素学会 08.05.2015
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Summary:「1. 開発の経緯」 亜鉛は生体内に広く分布する必須微量金属のひとつであり, 多くの金属酵素の重要な構成成分として存在する. そのため, 亜鉛欠乏の検出は疾患の治療に結びつく重要な情報のひとつとなる. 従来, 原子吸光法や用手法にて測定が行われていたが, 試料の前処理が必要なこと, 試料量が多く必要なことなどが課題であった. アキュラスオートZn(以下, 本品)はこれらの課題を解決し, 2005年12月に対外診断用医薬品の製造販売承認を受けた. 「2. 測定原理」 本品は, 直接法(2-(5-Bromo-2-pyridylazo)-5-[N-n-propyl-N-(3-sulfopropyl)amino]phenol(以下, 5-Br-PAPS))に基づいて開発された, 生化学自動分析装置用試薬である. すなわち, 血清, 血漿または尿をきわめて微量の試料量にて直接測定可能である. 第1反応において, タンパク変性剤の作用により亜鉛をタンパク質などのリガンド(血漿の場合, 約80%がalbumin, 約15%がα2-macroglobulin, 数%がアミノ酸などの低分子物質)から遊離させ, 同時に, 亜鉛以外の金属はキレート剤によるマスキングを行う.
ISSN:0916-717X
1880-1404
DOI:10.11299/brte.26.7