足底部の冷却鈍麻が立位姿勢における足圧中心位置再現誤差に与える影響

随意的に運動を制御できる範囲におけるCOP(center of pressure)位置の再現により,足底部冷却による冷却鈍麻が姿勢制御に与える影響を明らかにすることを目的として実験を行った.被験者は若年男性18名とした.被験者に床反力計上でCOP位置をリアルタイムで表示し,前傾(足長の65%)位置と後傾(足長の30%)位置を記憶させた.記憶したCOP位置を再現させた後,足底部を氷水で冷却し再度COP位置を再現させCOP位置を計測した.その結果,COP位置絶対再現誤差は前傾において有意に増加し,後傾において増加傾向であった.このようにCOP位置絶対再現誤差の増加やCOPの動揺が増加したことは,足...

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Published in人間工学 Vol. 58; no. 1; pp. 37 - 42
Main Authors 齋藤, 誠二, 信畑, 卓哉, 松永, 凌, 岡本, 光平, 淺田, 裕司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 15.02.2022
日本人間工学会
Subjects
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ISSN0549-4974
1884-2844
DOI10.5100/jje.58.37

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Summary:随意的に運動を制御できる範囲におけるCOP(center of pressure)位置の再現により,足底部冷却による冷却鈍麻が姿勢制御に与える影響を明らかにすることを目的として実験を行った.被験者は若年男性18名とした.被験者に床反力計上でCOP位置をリアルタイムで表示し,前傾(足長の65%)位置と後傾(足長の30%)位置を記憶させた.記憶したCOP位置を再現させた後,足底部を氷水で冷却し再度COP位置を再現させCOP位置を計測した.その結果,COP位置絶対再現誤差は前傾において有意に増加し,後傾において増加傾向であった.このようにCOP位置絶対再現誤差の増加やCOPの動揺が増加したことは,足底の冷却鈍麻により足底メカノレセプターからの圧情報が減少したためと考えられる.本研究の結果から,足底部の冷却による足底圧情報の減少が,COP位置の再現性に影響を及ぼすことが示唆された.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.58.37