猫の眼球内に発生したリンパ腫の1例

後肢のふらつきを主訴に3歳齢、雄の雑種猫が来院した。身体検査により左後肢の固有知覚の低下と尾の麻痺、および両眼の前眼房内に乳白色のフレア様浸出物と左眼虹彩の変形を認めた。超音波検査で左眼に網膜剥離および虹彩後部に連続する腫瘤の存在が確認された。両眼房内の浸出物は針吸引生検所見からリンパ腫と診断した。なお血液検査ではFeLV、FIPVは陰性、FIVは陽性であった。多剤併用化学療法を実施したところ、第7病日には眼病変は消失し、第21病日には神経症状も消失した。現在約2年を経過するが、再燃はみられず良好に経過している。...

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Published in動物臨床医学 Vol. 12; no. 3; pp. 141 - 144
Main Authors 松川, 拓哉, 中西, 淳, 岩本, 竹弘, 木村, 大泉, 下田, 哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 動物臨床医学会 2003
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Summary:後肢のふらつきを主訴に3歳齢、雄の雑種猫が来院した。身体検査により左後肢の固有知覚の低下と尾の麻痺、および両眼の前眼房内に乳白色のフレア様浸出物と左眼虹彩の変形を認めた。超音波検査で左眼に網膜剥離および虹彩後部に連続する腫瘤の存在が確認された。両眼房内の浸出物は針吸引生検所見からリンパ腫と診断した。なお血液検査ではFeLV、FIPVは陰性、FIVは陽性であった。多剤併用化学療法を実施したところ、第7病日には眼病変は消失し、第21病日には神経症状も消失した。現在約2年を経過するが、再燃はみられず良好に経過している。
ISSN:1344-6991
1881-1574
DOI:10.11252/dobutsurinshoigaku.12.141