慢性腰痛症患者における体幹筋力と呼吸機能の関係─新たなる体幹筋力評価と増強訓練の開発に向けて

健常者(女性14名,平均年齢20.3歳)および慢性腰痛症患者(女性67名,平均年齢61.1歳)を対象に,体幹筋力と呼吸機能の関係を評価した.健常者では,体幹筋力と呼吸機能に統計学的な相関はなかった.比較対照群として,腰痛を呈さない変形性股・膝関節症患者(女性67名,平均年齢61.2歳)を抽出し,腰痛群と比較した.その結果,腰痛群では呼吸機能が優れており,特に予備呼気量が有意に高値であった.原因として,腰痛群では体幹支持性向上のために常時腹横筋を用いて呼吸コントロールしており,その結果として腹横筋を使用する予備呼気量の増加へ結びついたと考察した.今後,体幹筋評価・訓練の一環として,腹横筋への配慮...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 8; no. 1; pp. 173 - 178
Main Authors 牧野, 均, 白土, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2002
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ISSN1345-9074
1882-1863
DOI10.3753/yotsu.8.173

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Summary:健常者(女性14名,平均年齢20.3歳)および慢性腰痛症患者(女性67名,平均年齢61.1歳)を対象に,体幹筋力と呼吸機能の関係を評価した.健常者では,体幹筋力と呼吸機能に統計学的な相関はなかった.比較対照群として,腰痛を呈さない変形性股・膝関節症患者(女性67名,平均年齢61.2歳)を抽出し,腰痛群と比較した.その結果,腰痛群では呼吸機能が優れており,特に予備呼気量が有意に高値であった.原因として,腰痛群では体幹支持性向上のために常時腹横筋を用いて呼吸コントロールしており,その結果として腹横筋を使用する予備呼気量の増加へ結びついたと考察した.今後,体幹筋評価・訓練の一環として,腹横筋への配慮が必要と考える.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.8.173