消防職員の栄養素・食事摂取状況とその課題

食事は,消防職員の体調を維持するために必要不可欠な要素である.本研究では,写真記録法による食事調査を行い,消防職員の栄養素・食品摂取状況を明らかにすること,また,そこから産業保健における栄養学上の課題を整理することを目的とした.その結果,1回以上の出動があった勤務日における消防職員の栄養素・食事摂取状況の特徴として,国民健康・栄養調査で報告されている一般成人の摂取量と同様の傾向があり,エネルギー,食物繊維,ビタミン類,ミネラル類等の摂取量が少ないことが明らかとなった.今後の課題として,熱中症予防のための食塩付加量,望ましい食事摂取と仮眠のタイミングなどに注目し,消防職員の作業性,人的能力,作業...

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Published in人間工学 Vol. 58; no. 2; pp. 54 - 60
Main Authors 松木, 太郎, 栗原, 崇浩, 榎原, 毅, 山本, 孔次郎, 玉田, 葉月
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 15.04.2022
日本人間工学会
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ISSN0549-4974
1884-2844
DOI10.5100/jje.58.54

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Summary:食事は,消防職員の体調を維持するために必要不可欠な要素である.本研究では,写真記録法による食事調査を行い,消防職員の栄養素・食品摂取状況を明らかにすること,また,そこから産業保健における栄養学上の課題を整理することを目的とした.その結果,1回以上の出動があった勤務日における消防職員の栄養素・食事摂取状況の特徴として,国民健康・栄養調査で報告されている一般成人の摂取量と同様の傾向があり,エネルギー,食物繊維,ビタミン類,ミネラル類等の摂取量が少ないことが明らかとなった.今後の課題として,熱中症予防のための食塩付加量,望ましい食事摂取と仮眠のタイミングなどに注目し,消防職員の作業性,人的能力,作業条件,作業環境などのシステム要素と栄養課題の調和を図る研究が必要と考えられた.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.58.54