ストレッチャーの移送法と乗り心地の関係

本論文では,病院内でのストレッチャーによる移送中の振動や回転が,乗り心地に与える影響について調査する.乗り心地は,SD法を用いて主観的に評価する.ストレッチャーに乗せた被験者は,14 m×15 mの四角形のコースに沿って移送される.コースのコーナーでは,加速度と角速度の影響を評価するため,(1)通常回転法,(2)頭を中心にした回転法,(3)足を中心にした回転法,(4)ストレッチャー中央を中心とした回転法の,4種類の方法で方向転換を行った.搬送実験後,被験者は37種類の形容詞対で構成されるSD表を使って,乗り心地を評価した.さらに,主成分分析法を利用して,乗り心地を悪化させる要因の抽出を試みた....

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Published in人間工学 Vol. 46; no. 1; pp. 23 - 30
Main Authors 角濱, 春美, 長谷川, 恵子, 佐川, 貢一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人間工学会 2010
日本人間工学会
Subjects
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ISSN0549-4974
1884-2844
DOI10.5100/jje.46.23

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Summary:本論文では,病院内でのストレッチャーによる移送中の振動や回転が,乗り心地に与える影響について調査する.乗り心地は,SD法を用いて主観的に評価する.ストレッチャーに乗せた被験者は,14 m×15 mの四角形のコースに沿って移送される.コースのコーナーでは,加速度と角速度の影響を評価するため,(1)通常回転法,(2)頭を中心にした回転法,(3)足を中心にした回転法,(4)ストレッチャー中央を中心とした回転法の,4種類の方法で方向転換を行った.搬送実験後,被験者は37種類の形容詞対で構成されるSD表を使って,乗り心地を評価した.さらに,主成分分析法を利用して,乗り心地を悪化させる要因の抽出を試みた.12人の被験者を対象にした実験の結果,乗り心地を悪化させる要因として,角速度と頭足方向加速度に関する2つの主成分が得られた.また,角速度が乗り物酔いや嘔吐の主要な原因であることが示唆された.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.46.23