地域在住高齢者を対象とした口腔機能訓練が与える頸部可動域の改善効果

地域在住高齢者の頸部可動域に対する口腔機能訓練の効果を明らかにすることを目的とした.65歳以上の高齢者を対象に年齢,性別,BMI,ロコモ度テスト,現在歯数,義歯の使用および頸部可動域を調査した.自治会の地域によって運動器機能訓練および口腔機能訓練を実施する複合プログラム群(30名),運動器機能訓練を実施する単一プログラム群(35名)の2群に分けて3か月間訓練を行った後,同一項目の調査を行った.頸部可動域の訓練前後比較はWilcoxonの順位和検定を,変化量の2群間比較はMann–WhitneyのU検定を行った.また,頸部可動域の改善を従属変数として,性別,年齢および口腔機能訓練の介入の有無を独...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 72; no. 1; pp. 11 - 17
Main Authors 石上, 和男, 小田島, あゆ子, 葭原, 明弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 01.01.2022
日本口腔衛生学会
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.72.1_11

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Summary:地域在住高齢者の頸部可動域に対する口腔機能訓練の効果を明らかにすることを目的とした.65歳以上の高齢者を対象に年齢,性別,BMI,ロコモ度テスト,現在歯数,義歯の使用および頸部可動域を調査した.自治会の地域によって運動器機能訓練および口腔機能訓練を実施する複合プログラム群(30名),運動器機能訓練を実施する単一プログラム群(35名)の2群に分けて3か月間訓練を行った後,同一項目の調査を行った.頸部可動域の訓練前後比較はWilcoxonの順位和検定を,変化量の2群間比較はMann–WhitneyのU検定を行った.また,頸部可動域の改善を従属変数として,性別,年齢および口腔機能訓練の介入の有無を独立変数としてロジスティック回帰分析を行った.複合プログラム群ではすべての運動方向において頸部可動域が改善した(p<0.05).前屈を除く運動方向において,単一プログラム群と比べて頸部可動域の変化量が高く(p<0.05),頸部可動域の改善が口腔機能訓練の介入と有意な関連がみられた(オッズ比=7.23 ~18.52).高齢者における口腔機能訓練は頸部可動域の改善に影響を与えることが明らかとなった.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.72.1_11