腰痛と下肢痛に対する神経ブロック療法とトリガーポイント注射の効果
腰部や下肢の痛みに対し,神経ブロックやトリガーポイント注射を併用した効果について報告する.症例は,男32例・女31例の計63例で,受診時の年齢は平均65.6歳であった.使用薬剤は,1%塩酸“ピバカインと時に,リン酸デキサ“タゾン1.9∼3.8 mgを併用し,痛みが消失あるいは軽減していた期間と痛みの改善率について調査した.痛みの評価はNRS 5点法を用い,ブロック前後のペインスコアより改善率を求めた.痛みのNRSは,平均2.4点がブロック後は平均0.7点,改善率は73%で,痛みが消失あるいは軽減していた期間は平均8.1日間であった.改善率が60%以上は,63例中53例84%で,悪化例は1例もな...
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Published in | 日本腰痛学会雑誌 Vol. 7; no. 1; pp. 110 - 113 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腰痛学会
2001
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-9074 1882-1863 |
DOI | 10.3753/yotsu.7.110 |
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Summary: | 腰部や下肢の痛みに対し,神経ブロックやトリガーポイント注射を併用した効果について報告する.症例は,男32例・女31例の計63例で,受診時の年齢は平均65.6歳であった.使用薬剤は,1%塩酸“ピバカインと時に,リン酸デキサ“タゾン1.9∼3.8 mgを併用し,痛みが消失あるいは軽減していた期間と痛みの改善率について調査した.痛みの評価はNRS 5点法を用い,ブロック前後のペインスコアより改善率を求めた.痛みのNRSは,平均2.4点がブロック後は平均0.7点,改善率は73%で,痛みが消失あるいは軽減していた期間は平均8.1日間であった.改善率が60%以上は,63例中53例84%で,悪化例は1例もなかった.鎮痛剤と比較し,局麻薬は極めて安全性が高く副作用は少ない.複数の神経ブロックやトリガーポイント注射の併用は,有効な手段で一時的な除痛でも患者の満足度は高く,増加する高齢者の腰部や下肢の痛みに対し,極めて有効な方法と考える. |
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ISSN: | 1345-9074 1882-1863 |
DOI: | 10.3753/yotsu.7.110 |