同一周波数でのFM放送波中継を可能にする“FM回り込みキャンセラ”の開発

FM放送ではFM補完放送の進展に合わせ新しく実用化されたFM同期放送による単一周波数ネットワークSFN(Single Frequency Network)が採用され始めており,将来予定されている「AM放送のFM放送への転換」(F転)の計画においてもこのFM同期放送が有効な手段と考えられている.地上デジタル放送においてSFNは周知であり,放送波中継によるSFN(放送波中継SFN)を構成する局においても自局の送信回り込み波をキャンセルする回り込みキャンセラ1)が実用化されている.これまでFM放送では回り込みキャンセラが実用化されていなかったがFM放送においても放送波中継SFNを構成することができれ...

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Published in映像情報メディア学会誌 Vol. 76; no. 1; pp. 156 - 164
Main Authors 岩木, 昌三, 上田, 大一朗, 河野, 憲治, 山﨑, 浩介, 惠良, 勝治, 峰吉, 俊幸, 山根, 実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 映像情報メディア学会 2022
Subjects
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ISSN1342-6907
1881-6908
DOI10.3169/itej.76.156

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Summary:FM放送ではFM補完放送の進展に合わせ新しく実用化されたFM同期放送による単一周波数ネットワークSFN(Single Frequency Network)が採用され始めており,将来予定されている「AM放送のFM放送への転換」(F転)の計画においてもこのFM同期放送が有効な手段と考えられている.地上デジタル放送においてSFNは周知であり,放送波中継によるSFN(放送波中継SFN)を構成する局においても自局の送信回り込み波をキャンセルする回り込みキャンセラ1)が実用化されている.これまでFM放送では回り込みキャンセラが実用化されていなかったがFM放送においても放送波中継SFNを構成することができれば周波数資源を極めて有効に利用できる.そこで受信FM波の直交変換後の信号から時間軸相関によって回り込み波の検出を行い,適応フィルタを用いて回り込み波のレプリカを生成して減算することで回り込み波をキャンセルする手法を実現した.
ISSN:1342-6907
1881-6908
DOI:10.3169/itej.76.156