動画像への不可視マーカの埋め込みに向けたフレーム間差分に頑健な色振動方式

スクリーン-カメラ間通信を実現する技術として,不可視の色振動手法がある.この手法では高速な色度変化を利用して人間には見えない2次元パターンを提示し,撮影された異なるフレームの差分画像からパターンを復元する.動画像に対してパターンを埋め込む場合,動画像自体のフレーム間差分の影響で2次元パターンを正しく復元できないという課題がある.本研究では,色度変化の有無ではなく位相を用いて2次元パターンを表現することで,動画像のフレーム間差分の影響が少ない形でパターンを埋め込む手法を提案する.シミュレーション実験によって,動画のフレーム間差分や動画圧縮の影響を確認し,提案手法での復号成功率が向上することを確認...

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Published in映像情報メディア学会誌 Vol. 77; no. 1; pp. 141 - 148
Main Authors 荒木, 航太, 覚井, 優希, 福嶋, 政期, 田中, 稜太郎, 韓, 燦教, 苗村, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 映像情報メディア学会 2023
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ISSN1342-6907
1881-6908
DOI10.3169/itej.77.141

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Summary:スクリーン-カメラ間通信を実現する技術として,不可視の色振動手法がある.この手法では高速な色度変化を利用して人間には見えない2次元パターンを提示し,撮影された異なるフレームの差分画像からパターンを復元する.動画像に対してパターンを埋め込む場合,動画像自体のフレーム間差分の影響で2次元パターンを正しく復元できないという課題がある.本研究では,色度変化の有無ではなく位相を用いて2次元パターンを表現することで,動画像のフレーム間差分の影響が少ない形でパターンを埋め込む手法を提案する.シミュレーション実験によって,動画のフレーム間差分や動画圧縮の影響を確認し,提案手法での復号成功率が向上することを確認した.さらに実機を用いて,復号が成功するまでにかかる時間を測定し,従来手法と比較して速く復号ができることを確認した.最後に,複数のディスプレイとスマートフォンを用いてデバイス依存性を確認した.
ISSN:1342-6907
1881-6908
DOI:10.3169/itej.77.141