外科治療を行った腫瘤型肝細胞癌の犬28症例の臨床検査所見と治療成績
外科治療を行った腫瘤型肝細胞癌(HCC)の犬28頭の臨床検査所見と治療成績について調査した。臨床症状は22頭(78.6%)で認められたが残りの6頭(21.4%)は無症状であった。血液化学検査ではアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)とアルカリフォスファターゼ(ALP)の上昇がそれぞれ全頭(100%)と27頭(96.4%)で認められた。血清α-フェトプロテイン(AFP)の上昇は19頭(67.9%)で認められた。三次元CT検査は腫瘤が発生している肝葉を術前に特定でき,手術シミュレーションを行う上で極めて有用であった。周術期死亡率は10.7%(3頭)で他は長期生存し,再発または転移率は16%(4...
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Published in | 動物臨床医学 Vol. 18; no. 4; pp. 93 - 100 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
動物臨床医学会
2009
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Subjects | |
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Summary: | 外科治療を行った腫瘤型肝細胞癌(HCC)の犬28頭の臨床検査所見と治療成績について調査した。臨床症状は22頭(78.6%)で認められたが残りの6頭(21.4%)は無症状であった。血液化学検査ではアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)とアルカリフォスファターゼ(ALP)の上昇がそれぞれ全頭(100%)と27頭(96.4%)で認められた。血清α-フェトプロテイン(AFP)の上昇は19頭(67.9%)で認められた。三次元CT検査は腫瘤が発生している肝葉を術前に特定でき,手術シミュレーションを行う上で極めて有用であった。周術期死亡率は10.7%(3頭)で他は長期生存し,再発または転移率は16%(4頭),全症例の中央生存期間は1431日(範囲0~2367日)であった。腫瘤型HCCの犬の多くは肝葉切除による完全切除により完治する結果が得られ,積極的に外科治療を行うべきと思われた。AFPが高値を示した症例は術後に明らかなAFPの減少がみられ,更に再発した4頭では再発確認時に再び上昇がみられ,AFP産生性の腫瘤型HCC症例では再発のモニターに有用となる可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 1344-6991 1881-1574 |
DOI: | 10.11252/dobutsurinshoigaku.18.93 |