2回にわたり摘出術を試みた犬の腹腔内粘液肉腫の1手術例
12歳のシーズーが,腹部膨満を主訴に来院した。精査の結果,腹部全域を占拠する巨大腫瘤と腹水を確認し,腹水は高粘稠性を呈する変性性漏出液であった。腹圧上昇のため,第21病日,摘出手術を行い,右副腎を巻き込む脆弱なゼリー状の腫瘍塊を摘出した。病理組織学的検査で粘液肉腫と診断された。第73病日で再度腹部膨満を呈し,初診時同様の検査所見であったため,病態改善を目的に摘出手術を行った。その後,順調に経過していたが,第115病日に腹腔内に腫瘍の再発がみられ,飼い主の希望により無処置とした。第133病日に死亡したが,死亡する直前までQOLを維持することができた。...
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Published in | Journal of Animal Clinical Medicine Vol. 17; no. 3; pp. 77 - 80 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
動物臨床医学会
2008
Japanese Society of Clinical Veterinary Medicine |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1344-6991 1881-1574 |
DOI | 10.11252/dobutsurinshoigaku.17.77 |
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Summary: | 12歳のシーズーが,腹部膨満を主訴に来院した。精査の結果,腹部全域を占拠する巨大腫瘤と腹水を確認し,腹水は高粘稠性を呈する変性性漏出液であった。腹圧上昇のため,第21病日,摘出手術を行い,右副腎を巻き込む脆弱なゼリー状の腫瘍塊を摘出した。病理組織学的検査で粘液肉腫と診断された。第73病日で再度腹部膨満を呈し,初診時同様の検査所見であったため,病態改善を目的に摘出手術を行った。その後,順調に経過していたが,第115病日に腹腔内に腫瘍の再発がみられ,飼い主の希望により無処置とした。第133病日に死亡したが,死亡する直前までQOLを維持することができた。 |
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ISSN: | 1344-6991 1881-1574 |
DOI: | 10.11252/dobutsurinshoigaku.17.77 |