頸部伸筋優位の筋障害を生じた抗nuclear matrix protein 2抗体陽性皮膚筋炎の1例

68歳男性.2ヶ月前から四肢近位の筋力低下,2週間前から首下がり,1週間前から嚥下障害が出現した.四肢に浮腫・硬結を認めるが,定型的皮膚症状はなかった.抗nuclear matrix protein 2(NXP-2)抗体が陽性で,筋生検ではperifascicular atrophyを認め,myxovirus resistance protein Aの発現がみられた.FDG-PET/CT(PET)で多数のリンパ節に集積を認めたが原発不明癌であった.ステロイド治療と免疫グロブリン大量療法にて症状は改善傾向となった.PETで頸部伸筋群に集積あり頸部伸筋優位の障害により首下がりを呈したと考えた....

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Published in臨床神経学 Vol. 61; no. 11; pp. 743 - 749
Main Authors 藤井, 裕樹, 倉重, 毅志, 久保, 智司, 中嶋, 蘭, 濱口, 儒人, 北村, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2021
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Summary:68歳男性.2ヶ月前から四肢近位の筋力低下,2週間前から首下がり,1週間前から嚥下障害が出現した.四肢に浮腫・硬結を認めるが,定型的皮膚症状はなかった.抗nuclear matrix protein 2(NXP-2)抗体が陽性で,筋生検ではperifascicular atrophyを認め,myxovirus resistance protein Aの発現がみられた.FDG-PET/CT(PET)で多数のリンパ節に集積を認めたが原発不明癌であった.ステロイド治療と免疫グロブリン大量療法にて症状は改善傾向となった.PETで頸部伸筋群に集積あり頸部伸筋優位の障害により首下がりを呈したと考えた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001615